初心者が天体望遠鏡で土星の環を見る【見え方解説】予算は13900円~

天体望遠鏡で土星の環を見る【見え方解説】

土星の環】に関するありきたりでありながら、もっとも興味を持たれている疑問【土星の環は見えるのか】について考えました。はじめての方でもわかるように土星の見つけ方、土星の見え方とおススメ望遠鏡も含めて全力で回答します。

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土星の環が見えるおすすめの天体望遠鏡

どの望遠鏡も【土星の環】を見ることはできます。当ブログのおすすめ機種はアトラス60です。

土星の環】が見える初心者用望遠鏡リスト

眼視観測向けスコープテックラプトル50屈折望遠鏡13900円
眼視観測向けスコープテックラプトル60屈折望遠鏡23900円
眼視観測おススメスコープテックアトラス60屈折望遠鏡微動付き38900円
眼視観測向けスコープテックアトラス80屈折望遠鏡微動付き66800円
眼視観測向けビクセンポルタIIA80Mf屈折望遠鏡微動付き50909円
電子観望も可能SkyWatcherP130VIRTUOSO GTi反射望遠鏡55242円
CMOSカメラplayerOne電子観望用カメラceres-c23100円
金額は税込みです

※望遠鏡の重要ポイントである架台がしっかりした機種を選んでいます。電子観望は望遠鏡とパソコンで見る天体観測です

  1. みんな大好き、宇宙のロマン【土星の環】見れば感動間違いなし!
  2. 初心者の望遠鏡で【土星の環】が見えるのか?【間違いなく見えます】
    1. はじめての天体観測に【土星の環】はおすすめ!
  3. 宇宙空間に浮かぶ土星は月並みですが神秘的!
  4. 【土星の環】が見えなくなります!【15年に一度、土星の環が消失】
  5. 【土星の環】を見る望遠鏡は屈折式をおススメします!
    1. 2024年・土星観測の季節【位置が少しづつ変わります】
      1. 土星の出没時間 2024年9月~2024年2月【観測地東京都】
    2. 土星を見つける【2024年8月から2025年にかけて】
  6. 土星を見る!最低倍率にして土星を捉えましょう【ラプトル60で解説】
    1. ピントを合わせて【土星の環】を見る!
  7. 土星の観測【60ミリ屈折望遠鏡でする観測ポイント4点】
  8. 粗悪望遠鏡で見た土星の見え方【環が分離しない楕円形の塊】
    1. 粗悪望遠鏡の見え方【安価な望遠鏡に多い】
  9. 【土星の環】を見るならラプトル60 アウトドア、車中泊にもおススメ!
    1. ラプトル60の説明【軽くて持ち運びしやすい、土星の環は楽勝】
    2. アトラス60の説明【大人におススメ高倍率でゆっくり土星の観測】
    3. ラプトルとアトラスの覗き穴ファインダーについて
  10. スコープテックという会社【国内製造にこだわっています】
  11. 土星の本体にある縞模様について
  12. カッシーニの空隙を見る【望遠鏡の性能を確認できます】
    1. 微動装置の必要性(日周運動で星が動きます)
    2. 土星の観測シーズン 2024年は夏から秋
  13. 口径60ミリ屈折望遠鏡で観測できる天体
    1. 木星をラプトル60で観測する【表面の縞が見えます】
    2. 火星は2年に一回の接近した時に観測しましょう。
    3. 金星を観測できるのは日没後か日の出前です。
    4. DSO(銀河、星雲、星団)の観測はできなくはない
  14. 【まとめ】望遠鏡の性能と眼視能力について

みんな大好き、宇宙のロマン【土星の環】見れば感動間違いなし!

望遠鏡で見たい天体をたずねてみると必ず「土星の環」と返ってきます。おとなも子供もみんな大好き【土星の環】です。

私も経験があります。月並みな回答だと思うのですが現実にそう答える方が多いのは事実です。

そしてはじめて土星を見た人は必ず感動します!これも事実です。

それでは本当に見えるのか、見えるとしたらどのように見えるのかについてお答えします。

土星の環】が観測できる望遠鏡のおすすめ仕様【大人の望遠鏡・アトラス60】

  • 口径6センチ以上の屈折望遠鏡
  • 100倍以上の倍率で見る
  • 頑丈な三脚【高倍率は振動の影響を受けます】
  • 微動装置付き【日周運動を追いかける】

アトラス60は4条件を満たした望遠鏡です

初心者の望遠鏡で【土星の環】が見えるのか?【間違いなく見えます】

見えます。いくらでも見えます。よほど安物でポンコツでもない限り【土星の環】は見えます。目のいいひとなら20倍程度の双眼鏡でも見えると思います。

私は反射望遠鏡の26倍でなんとか見えているような気がしますが、とにかく小さいです。小さすぎて環だとは確認できませんが土星がいびつな楕円形に見えます。

65倍まで拡大すると問題なく環を確認できます。(13センチのニュートン式反射望遠鏡を使用)

土星の環が見えるいちばん小さい望遠鏡

スコープテック製のラプトル50は間違いなく【土星の環】を観測できる、いちばん小さい望遠鏡です。口径50ミリの屈折望遠鏡になります。架台三脚ともにしっかりしています。【土星の環】を見るだけならこれで充分でしょう。

はじめての天体観測に【土星の環】はおすすめ!

土星と木星のような惑星と月は空に見えているときは、いつでもどこでも観測できます。

都会の真ん中でも大丈夫です。望遠鏡に土星が入れば観測できます。

天体観測の趣味をスタートするには月や惑星の眼視観測がおすすめです。

小さなお子さんでも見ることができます。

星雲、星団、銀河は非常に暗い天体なので、月のある夜や街灯で空が明るいところではなかなか見ることはできません。

宇宙空間に浮かぶ土星は月並みですが神秘的!

倍率に関係なく真っ暗な宇宙空間にリングをつけて浮かんでいる土星の姿は神秘的です。

環のついた星などありません。土星だけです。宇宙の不思議を実感します。

【土星の環】が見えなくなります!【15年に一度、土星の環が消失】

【土星の環】は傾きがないと見えにくいものです。2024年は傾きが小さくて真横から見ている状態に近くなっています。

環の厚みは1キロもないため真横からではほとんど見えなくなります。

CDを真横から見た感じです

2025年が真横になる年で現在も傾斜角が小さいため環の見え方は良くありません。しばらくは土星の見栄えは良くないと思います。

それでも環のない土星を見られるのは15年に1回のことなので貴重ではありますよ。

【土星の環】を見る望遠鏡は屈折式をおススメします!

望遠鏡には屈折式と反射式があります。

テーマを【土星の環】を見るに絞った場合は屈折式望遠鏡にしましょう。

イラストのタイプが屈折望遠鏡です。左側にあるレンズで光を集め右側の接眼部から観測します。

屈折望遠鏡の特徴

  1. 土星を顔の正面にして導入できます。導入するときに直感的な操作で戸惑いません。
  2. 観測前に大気順応や光軸調整もほとんど不要です。すぐ観測に入れます。
  3. 保管は湿度の少ないところに保管するだけで大丈夫です。

以上の3要素が反射望遠鏡と違い屈折望遠鏡が初心者でも扱いやすい理由です。

土星に限らず木星や火星、月面の観測にも屈折式は使いやすい望遠鏡です。電子観望やDSO(銀河、星雲、星団)に興味がある方は反射望遠鏡を検討してください。

2024年・土星観測の季節【位置が少しづつ変わります】

すべての天体は季節によって移動するため観測ができるシーズンがあります。日没から夜中の0時ごろまでの間に土星が見えているのは2024年では9月から翌年の1月頃までです。

惑星は太陽の周りを公転しており少しずつ位置が変わります。観測できる時間帯もずれていきます。1年のうち2か月くらいは地球から見て太陽の近くにあるため観測できない日があります。

土星を見つけるには星座アプリをダウンロードしてください。だいたいの場所が分かれば明るい目立つ星ですからすぐにわかります。

土星の出没時間 2024年9月~2024年2月【観測地東京都】

地平線から出てきても1時間以上あとでないと観測はできません。地平線の近くでは大気の影響で惑星の像が乱れます。

月日出時間南中時間入時間
9月1日18時29分0時13分5時55分
10月1日16時25分22時03分3時46分
11月1日14時20分19時56分1時37分
12月1日12時21分17時58分23時35分
1月1日10時24分16時2分21時42分
2月1日8時29分14時8分19時54分

夕方からはじめて0時には観測を終了するとして2024年の土星観測のシーズンは8月~11月です。

太陽を廻っている土星は、出没時間が少しずつ遅れていきます。ちなみに2025年4月1日の出時間は午前5時2分になります。

土星が出てきても1時間以上してからでないと大気の影響で観測できません。2024年の土星は環を真横から見るため串団子のように見えます。今現在そんな感じで見えています!

土星を見つける【2024年8月から2025年にかけて】

画像は国立天文台【今日のほしぞら】の9月17日21時をコピーしています。

9月になると21時頃には土星を見つけることができます。9月17日は月のすぐ近くにいます。

南東の空には1等星のフォーマルハウトがあります。高度のかなり低い位置にある1等星です。

1等星はこれしかないのですぐにわかります。

フォーマルハウトから少し東のほうを見て高い位置にある、いちばん明るい星が土星です。

フォーマルハウトが南中時には、ほぼ真上の位置に来ています。

特別目立つ明るさではありませんが土星はかなり明るく、周りに明るい星はないのですぐにわかります。

現在の土星が属しているエリアには1等星はありません。いちばん高く昇った状態(南中)でも地平と天頂の真ん中より少し下の位置にあります。

土星は1等星で明るい星ですが鈍い光かたをしています。木星のような存在感がある輝きではありません。

土星を見る!最低倍率にして土星を捉えましょう【ラプトル60で解説】

まずラプトル60のピントを軽く合わせましょう。できれば日中に遠方の動かない建物や鉄塔でいちばんはっきり見えるようにしておきます。

倍率はいちばん低い35倍で合わせるようにしましょう。

ラプトル60の架台は上下方向と水平回転の2軸が動きます。接眼部を軽く持って上下と水平に軽く動かしてください。

軽く動かして止めるとそこでピタリと静止します。これがフリーストップです。

天体を導入すると、そこでとまってくれます。静止させるクランプねじはありません。

最初は月で練習するのがいいですよ

屈折望遠鏡は顔の正面に目標天体を置くことができます。土星がわかればそちらに望遠鏡を向けます。

近くにきたらゆっくりと望遠鏡を動かして土星に近づけます。

覗き穴ファインダーに捉えることができれば35倍の視野の中に入っています。慎重に土星を視野の真ん中に運びます。

ピントを合わせて【土星の環】を見る!

このまま35倍でピントを正確に合わせても【土星の環】を見ることはできます。しかしこの倍率では小さいので接眼レンズをF8ミリに変更します。

素早く交換しましょう土星は常に動いています。F8ミリに交換すると88倍になります。これでかなり大きく見やすくなります。

ピントを正確に合わせます。接眼レンズによってピントの位置は変わります。

ハンドルを前後に動かしてピントを合わせるのですが、その間も土星は動いています。

視野の真ん中で見るのがいちばんシャープに見えます

土星が視野の端になるとシャープな星像は出ません。常に真ん中あたりに土星を置くようにしてください。

ピントはいちばんシャープに見えるところです。

ハンドルを何度も前後させていちばんシャープに見えるところを探してください。

ネットの販売ランキングにある1万円前後の望遠鏡は見えないことあるので気をつけてね

2024年の土星は傾きが少ないために【土星の環】はリングとしては見えません。

丸い本体を串刺しにした串団子のような形に見えます。

来年になると真横になり環の部分は望遠鏡では見えなくなるときがきます。

正確にピントが合えばハッキリと【土星の環】を見ることはできます。なんの訓練もいりません。来年以降はとくに見やすくなります。傾きが大きくなるにつれてリングとしてわかりやすくなります。ラプトル60の88倍でも大きくはないですが誰でも【土星の環】を見ることができます。

土星や木星のような惑星、月はピントが合っているのと、あっていないのではぜんぜん見え方が違うので念入りに合わせるようにしましょう。

土星の観測【60ミリ屈折望遠鏡でする観測ポイント4点】

土星はできるだけ高倍率で観測したほうが良くわかります。【100倍以上】

天体望遠鏡で土星を見る観測ポイント4点

  • 土星の環】の傾きを見ましょう【毎年傾斜角度は変わります。2025年以降は角度が大きくなって土星の環が見やすくなります】
  • カッシーニの空隙を見る【リング面にあるスリットです。傾斜が大きくないと難しいですがラプトル60で見えるか挑戦してください。眼視能力は訓練しだいでかなり違います】
  • 本体にある縞模様を見る!【非常に薄い縞なのでかなり難しいと思いますがどうでしょう】
  • 土星の衛星を観測する【土星を周回している星が衛星です。最低でも2個は見えます】

2024年から2025年は【土星の環】を観測するには不利な条件ですが、環のない土星を観測する絶好の機会でもあります。15年に1回の現象です。

粗悪望遠鏡で見た土星の見え方【環が分離しない楕円形の塊】

土星の環】は口径が5センチあれば見えるはずです。しかし光学精度が十分でないと見えません。

ネットに出ている望遠鏡のランキングで上位に来ている製品でも【土星の環】が見えないものがあります。

とくに低価格の物は残念な見え方になっていることが多いので要注意です!

解像度は本来は口径によって決まりますが低価格の望遠鏡は性能が犠牲になっています。

大手ECでランキング上位のなかにどう見ても粗悪望遠鏡があります。まず架台と三脚が弱いとまともな観測はできません。

粗悪望遠鏡の見え方【安価な望遠鏡に多い】

粗悪望遠鏡で土星を見ると本体と環が分離していません。楕円形のいびつな星に見えます。そのての望遠鏡は倍率をあげて土星を大きくしても同じです。

楕円の塊が大きくなって見えるだけです。月や木星などのほかの天体を見ても同じです。シャープに見えることはありません。

こんな望遠鏡は天体観測が嫌いになります!

望遠鏡には上限倍率があります!

粗悪望遠鏡は極端な高倍率を謳っているケースが多いです。口径をミリにして2倍が一般的な上限倍率です。60ミリ口径であれば上限は120倍くらいを目安にしてください。

高倍率を謳っている望遠鏡には粗悪品が多いので要注意です!ネットでベストセラーとか人気ナンバーワンは要注意です!口径の倍以上の倍率を謳っている望遠鏡は粗悪なのが多いので気をつけましょう

【土星の環】を見るならラプトル60 アウトドア、車中泊にもおススメ!

50ミリ10倍のファインダーで見ても土星が丸くないことに気づきます。なにか楕円形に見えてます。さすがにリングとまではわかりません。

スコープテック社のラプトル50は口径50ミリの屈折望遠鏡です。「土星の環が見えます」と宣伝しています。実際見えると思います。

【土星の環】を見るだけならこれでいいかもしれません。50ミリでも性能が良ければ【土星の環】を見ることができるということです。

この望遠鏡はレンズだけじゃなくて架台もしっかりしています!

小さくて扱いやすいのでアウトドアや車中泊に持っていくのであれば最適の望遠鏡です。販売実績もあり各種レヴューも良い望遠鏡です。

ただし電子観望に使うのは難しいと思います。さらに高倍率で観測するのは難しいでしょう。

大人の天体観測には口径60ミリのラプトル60のほうがいいと思います。口径10ミリの違いは大きいですよ。土星の明るさや見え方が違います。

ラプトルの最高倍率は100倍以下です。微動装置がついていない望遠鏡では日周運動のため、これ以上倍率を高くしてもうまく観測することはできないでしょう。

ラプトル60の説明【軽くて持ち運びしやすい、土星の環は楽勝】

アクロマート屈折望遠鏡口径60ミリ焦点距離700ミリ(F11.7)フリーストップ経緯台
倍率35×・88×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはアメリカンサイズも可能覗き穴ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付きトップマウントで架台に搭載2.5キロ

スコープテック社製の子供向け望遠鏡ですが大人が使っても楽しめる性能です。

光学性能はF11.7の無理のない大き目のF値にしてシャープな見え味にこだわっています。

スコープテックは見え味重視の会社なので土星、木星、火星と月に関しては他社より劣ることはありません。

眼視観測で【土星の環】はもちろん鍛えればカッシーニの空隙も見えるかもしれません。

架台はフリーストップになっており動かしたあとピタリと静止します。クランプ操作はありません。

2.5キロと全体的に小さくて軽量です。アウトドアや車中泊に持っていきやすい望遠鏡です。

100倍以上の高倍率にすることは可能ですが架台に微動装置がないのでおすすめできません。

観測対象は土星、木星、火星、月と明るいDSO(銀河、星雲、星団)になります。【オリオン星雲、アンドロメダ銀河】

ラプトル60は非常に完成度の高い望遠鏡です。アウトドアや車中泊に持っていきやすく気が向いたときに天体観測ができる望遠鏡です。アマゾン、YouTubeのレビューも高評価です。

アトラス60の説明【大人におススメ高倍率でゆっくり土星の観測】

ゆっくりじっくり【土星の環】を観測するには高倍率にしたいものです。高倍率とはここでは100倍以上のことだと思ってください。

しかし架台に微動装置がないと日周運動を追いかけることができません。

日周運動は自転で起きます。100倍以上になるとズンズン動きます!

スコープテック製アトラス60は口径60ミリで最高倍率133倍、微動装置付きです

アクロマート屈折望遠鏡口径60ミリ焦点距離800ミリ(F13.3)微動装置付き経緯台
倍率40×・64×・133×接眼レンズ径24.5ミリ接眼レンズはアメリカンサイズも可能覗き穴ファインダー
伸縮式三脚天頂ミラー付きトップマウントで架台に搭載4.5キロ

鏡筒も長くなり架台の重量も増えます。機動性はなくなりますが望遠鏡の性能は向上しています。

焦点距離を長くして倍率を133倍にしています。F値が長いので色収差も減少して高倍率でも気になりません。

微動装置はかなり優秀です。トップマウント式で振動が少なくスムーズに動きます。

133倍に拡大した土星を正確に追尾してくれます。

チョイ見には向きませんが落ち着いて【土星の環】を見るには最適です。カッシーニの空隙や本体の縞模様にも挑戦してください。

口径60ミリの上限倍率は120倍です。133倍のアトラス60は超えていますが土星のような明るい天体を観測するときは問題ありません。大きくした方が見やすくなります。【火星、木星もです】

ラプトルとアトラスの覗き穴ファインダーについて

この望遠鏡には光学ファインダーは付属していません。かわりに覗き穴ファインダーというものがあります。

月、土星、木星、火星、金星が観測対象の望遠鏡です。実質的に光学ファインダーは使いません。

使い勝手では覗き穴ファインダーのほうが優れています。

光学ファインダーはDSO(銀河、星雲、星団)の導入に有効ですが実際に使用してもほとんど意味をなさないです。この望遠鏡で観測するにはかなりの熟練が必要になります。

スコープテックという会社【国内製造にこだわっています】

初心者向けの屈折望遠鏡を主力にした国内メーカーです。国内製造にこだわりを持ち、販売後のサポートもしっかりしています。

小学生向けのラプトル50はアマゾンで常に月間100本以上販売されています。かなりのヒット商品です。

初心者用の望遠鏡ですが上級者の評判もすこぶる良いです。yutube、ブログでよく取り上げられている望遠鏡です。

アマゾン、楽天には自社サイトで出品しています。購入後のサポートを考えるのであれば販売店経由よりも安心でしょう。

初心者用の望遠鏡は基本的には中国製です。国内メーカーブランドもほとんどOEMです。スコープテックは国産を売りにして品質を確保する販売戦略のようです。

土星の本体にある縞模様について

口径13センチの反射望遠鏡で65倍だとリングだけでなく本体にある、うすい縞目もわかります。この縞は非常に薄く、なんとなく丸い本体に暗い模様が横に走っているなといった感じにしか見えません。

口径13センチで65倍では明るすぎて濃淡が見づらいからでもあります。倍率をあげると明るさがおさまり表面が観察しやすくなります。

それでもどれだけ大きな望遠鏡で高倍率にしても、縞模様が筋になって見えることはないでしょう。

木星のように細い筋状に走っているとは見えません。あくまでも本体にあるグラデーションです。

ちなみに口径13センチで150~200倍くらいで土星を見ると落ち着いた感じになり表面の諧調の変化もわかりやすくなります。【このくらいの倍率になると自動追尾がないとゆっくりと観測することはできません】

最近は325倍まで拡大しています。このほうが良く見えます。

土星の環】を観測的に見るには100倍以上がおすすめです。本体の縞模様は80ミリ屈折では微妙です。性能がよければ見えるかもしれません。口径60ミリでもわかるのか挑戦してください。

カッシーニの空隙を見る【望遠鏡の性能を確認できます】

つぎに【土星の環】にあるカッシーニの空隙についてです。これはリングの面上にスリットがあり内側と外側にわかれています。

これをカッシーニの空隙と呼びます。13センチで見ると環のひかり方が一様でないことに気づきます。環の外側が暗くなっています。

とくに土星の傾きがおおきくなり、リング面が広く見えるようになるとスリットが見えたような気がするのですが。

カッシーニの空隙は望遠鏡の性能をはかる目安になります

しかし私の目ではこれまでです。13センチの光軸調整を完璧にやると見えます。スコープテックの8センチ屈折望遠鏡アトラス80はうたい文句で見えると言い切ってます。

アトラス60ではカッシーニの空隙に触れてないところを見ると、60と80のあいだに性能差があるようですね。

眼視の識別能力は個人差が大きくアトラス60は見えてもおかしくないと思います!

この会社の望遠鏡は高性能だと評判なのでアトラス80は間違いなく見えるのでしょう。

土星の傾斜が大きくなるとカッシーニの空隙は見えやすくなります。

望遠鏡の光学性能を測る目安にカッシーニの空隙を使うことがよくあります。60ミリで見えるか挑戦してください。

カッシーニの空隙を見るには100倍は必要です!できれば150倍は欲しいところです。迫力がでます!【土星の環】が見えたら次はカッシーニの空隙が必ず見たくなります!

微動装置の必要性(日周運動で星が動きます)

高倍率で土星を見たほうが楽しいのは間違いありません。そうなると望遠鏡に微動装置がないと、落ち着いて見ていられません。

見ていると土星が少しずつ動いているのがよくわかります。それってけっこうイラつきます。

日周運動:太陽や月が東から西にゆっくり動きますが、すべての天体も常に動いています。望遠鏡で拡大するとゆっくりの動きも大きく拡大され見ているだけでズンズン動いて行きます。

そのたびに視野の真ん中に土星を持ってくるのですが、手で動かすとぶれてしばらく観測できなくなります。微動装置があるとかなり揺れが改善できて観測に集中できます。

100倍以上でする観測ルーティーンです(手動の微動装置で観測した時)

高倍率にする⇒日周運動⇒微動装置で追いかける⇒望遠鏡ぶれる⇒しばらく待ってから観測

100倍以上の高倍率で観測する望遠鏡はレンズの性能以上に振動の影響をうけにくい架台と三脚がしっかりした剛性の高いものを選びましょう。

貧弱だと使い物になりません。ホームセンターあたりに展示してある1万前後の安い望遠鏡はおすすめできません。見ただけで架台と三脚がひ弱なのがわかります。

架台と三脚は望遠鏡の肝です!

土星の環】をしっかり見たい方は最低でも6センチ屈折の微動装置付きあたりをお勧めします。

三脚の見た目がカメラ三脚のようだと使い物にならないことが多いです。安い望遠鏡の特徴!

土星の観測シーズン 2024年は夏から秋

土星に限らない話ですが高倍率を使っての観測にはシーズンがあります。基本的には月や惑星に高倍率を使います。100倍以上は高倍率と思ってください。

冬の間は大気の状態が悪くなり観測できない日が多いです。「シーイングが悪い」と表現したりします。快晴でも望遠鏡では像がグラグラ揺れて観測がしずらくなる現象です。

想像以上の悪い見え方ですよ!

上空にジェット気流が流れ込んでくるせいだという話です。11月の終盤ぐらいから3月くらいまでは本当に観測ができる日が少なくなります。低倍率はそれほど影響はうけません。高倍率では見ていると気分が悪くなるレベルです。

快晴の日が多いので電子観望でDSO(銀河、星雲、星団)を狙う分にはあまり影響はありません。惑星は春から夏が高倍率での観測シーズンになります。土星は現在(2024年)の位置だと夏の夜中がシーズンです。

口径60ミリ屈折望遠鏡で観測できる天体

月はいちばん簡単に見える天体です。ラプトル60の最低倍率35倍でも月面にあるクレーターを確認できます。

クレーターから出る放射状の白い筋もよくわかります。倍率をあげると荒涼とした陰影の世界をはっきりと見ることができます。

満月は光が正面から当たっているためクレーターの影が見えません。月が欠けているときに光と影の境目を見るようにしてください。

木星をラプトル60で観測する【表面の縞が見えます】

ガリレオ衛星は4個しっかり見えます。毎日、位置が変わるのですぐにわかります。

木星の表面には雲でできた太い筋が何本もあります。2本は見えるでしょう。雲のうねりはどうかな見えるかな・・・

大赤斑という赤っぽい丸い模様は条件次第です。ここ最近縮小しているので難しいかもしれませんが挑戦してください。

とても見かけの大きい惑星です。小さな望遠鏡でも表面の観察ができます。見つけるのも簡単なので土星以上に楽しめる惑星です。2月くらいまで観測できます。

火星は2年に一回の接近した時に観測しましょう。

2025年1月に接近します。かなり小さくてラプトル60の高倍率88倍では力不足ですが表面にくすんだ黒い模様があるのはわかります。

極冠が白く輝いているのもよくわかります。模様の形を認めるのはしんどいと思いますが、赤い表面にわかりやすく黒っぽい模様が見えます。

金星を観測できるのは日没後か日の出前です。

内惑星なので天頂高く金星を観測することはできません。つねに太陽の近くにあるので日没後か日の出前のわずかな時間だけです。

三日月になったり半月になったり形の変化を観測します。表面の模様までは無理です。

DSO(銀河、星雲、星団)の観測はできなくはない

オリオン星雲は見つけやすく、しかもよく見えます。さすがに冬の王者です。

観測対象はたくさんありますが眼視観測で見つけるのは努力と根性です。しかも暗いため見つけても良く見えません。

これは望遠鏡の大きさはあまり関係ありません。天体写真のように見えるDSO(銀河、星雲、星団)はひとつもありません。

DSO(銀河、星雲、星団)に興味がある方は電子観望しましょう。かなり良く見えます。

【まとめ】望遠鏡の性能と眼視能力について

望遠鏡では口径によって分解能が決まります。どこまで細かいものが認識できるかの能力です。

しかし実際の見え方については個人差がけっこう出ます。慣れると眼視での細かい識別能力があがります。

口径60ミリではカッシーニの空隙や本体の薄い縞は簡単ではありません。しかし見えるようになるかもしれません。

スコープテックの望遠鏡は性能がいいので挑戦するのも面白いですよ。

土星の環】を観測するおすすめ仕様【大人の望遠鏡】

  • 6センチ以上の屈折望遠鏡
  • 100倍以上の倍率で見る
  • 頑丈な三脚【高倍率は振動の影響を受けます】
  • 微動装置付き【日周運動を追いかける】

いろんな種類の天体から考えた望遠鏡を選ぶための記事です