初心者が初めて購入した望遠鏡の一般的な使い方と注意点を解説します。ここでは主として眼視観測を想定しての説明にくわえて電子観望の注意すべきところも交えた内容になっています。
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天体望遠鏡を使う心得 メチャクチャ細かく書きました
天体望遠鏡を使うことは意外と特殊な作業になります。
自宅であれ、遠征先の野外であれ、暗闇の中での作業が中心です。しかも天気は絶え間なく変化します。
手早い設置と撤収が必要です。無駄な時間をなくしましょう。大人の天体観測ですからやるべきことはそれなりにあります。
屈折望遠鏡、反射望遠鏡のどちらでも当てはまることが多々あります。
はじめて天体望遠鏡を持たれた方は参考にしていただけると思います。
天体観測の準備は入念にしましょう
懐中電灯のような照明をもっておきましょう。暗闇での作業は意外にトラブルが発生します。設置や撤収だけでなく。アイピースを落としたり、なにかパーツを捜したりすることがよくあります。
遠征するときは確実に揃えておかないと泣くことになります
事前に準備するものを確認してください。スマホ、懐中電灯、星図、パソコン、ファインダー、接続ケーブル、バッテリー、椅子、机、アイピース、レーザーコリメーター、フィルター、レンチ、CMOSカメラ、Bluetoothスピーカー、眼鏡、飲み物、防寒具、防虫スプレー、夜露対策用のホッカイロ、ブロアー、思いつくままに自分でメモに書き出してください。出発前に再点検です。
電池駆動の望遠鏡【自動導入機】は電池をチェック!
乾電池で駆動する望遠鏡は電池の残量を把握してください。満タンでないと不安ですから予備も必要です。
スマホはコントローラーで使います。こちらもバッテリーは満タンにしておきましょう。
観測に入る前に
暗闇の中で動きます。照明を使って事故を防いでください。あたまに巻きつけるLEDは手が自由になるので便利です。
夏は観測開始前に強力な防虫剤を使ってください。最近は周囲にまくと当日はほとんど寄ってこない凄い防虫剤もあります。望遠鏡にはかけないでくださいね。
望遠鏡を運ぶときは分割しましょう
望遠鏡の持ち運びは鏡筒と架台をわけて運びましょう。そのまま運んでいると三脚が邪魔になったり鏡筒をどこかにぶつけたりと故障の原因になります。
鏡筒と架台を分割したときの注意!
望遠鏡の鏡筒と架台を外した時はクランプねじをかならず忘れないでください。遠征先で気づくと悲劇です。
望遠鏡の組み立ての注意
暗闇のなかで動きます、ゆっくり一呼吸おいて動きましょう。ぶつけたり、落としたり、いろんなことが起こります。
望遠鏡のすべてのクランプ類を軽く締めて、がたつきが出ないようにしてください。
速やかに鏡筒を取り付けます。ファインダーもつけます。
望遠鏡の設置は水平にする
まず三脚を設置しましょう。この時点である程度の水平出しをしておきます。
三脚はがっちりと据え付けてください。固いコンクリだといいですが地面だと不安定にならないように石突の先に板を敷いてみたり工夫してください。
三脚の長さで水平を調整しますが板状のもの【スペーサ】を下敷きに使うと便利です。角べニアとか角ゴムの厚みが違うもので高さを調整します。
ファインダーの照準を合わせる
望遠鏡とファインダーのキャップを外しましょう。【レッドドットポインターも合わせてください。】
- なにはともあれファインダーを合わせます。レッドドットポインターは同倍率なので簡単に合うと思いますが、光学ファインダーは拡大倍率によっては合わせるのに苦労すると思います。明るい惑星か1等星で合わせてください。遠方に見える街灯でもけっこうです。動かないものを対象にしたほうが合わせやすいですが遠征先ではそんなものはないと思いますから星で合わすことができるように練習しておいてください。十字線の近くに合ってればいいです。そんなに時間をかけないようにしましょう。
- ファインダーの合わせ方については事前に調整方法の練習をしておいてください。慣れると難しいものではありませんが癖のあるファインダーは合わせるのが難しいことがあります。コツ掴んでおくと観測がすぐできて時間の無駄になりません。
- ファインダーの目標物は高度の低いものにしたほうが視野に捉えるのが楽ですよ。
レッドドットポインター操作は簡単ですが2等星になるとフィルムを透して星を見るのは厳しくなります。光学式にしたほうが操作性は良くなります。
天体望遠鏡のオプションパーツ【望遠鏡の性能を引き出して天体観測を快適にします】←望遠鏡のオプションパーツに関しての記事です
ファインダー合わせのコツ【反射望遠鏡】
横からみて鏡筒とファインダーが並行になっているか確認してください。ネジで微調整するのは並行が取れてからです。
ファインダー合わせなど反射望遠鏡は手動で動かして導入するときはいったん主鏡の後ろにまわって目標先を覗いたほうが導入しやすいです。
横からファインダー覗いてもなかなか合いません。
ファインダーは明るいうちに地上の目標で合わせるほうが簡単です。星で合わせるのはコツがいります。地平線に近い明るい1等星か惑星を使って合わせます。
鏡筒のバランスをとる【鏡筒の位置をスライドできる望遠鏡】
- 鏡筒のバランスを取ります。前後に鏡筒を動かして最適な位置を出してください。バランスが悪いと駆動精度に悪影響が出ます。
- ファインダーや接眼レンズ、CMOSカメラなどを取り付けた状態でバランスをとりましょう。
観測体制の確保【楽な観測姿勢が必要です】
このあたりで必要な機材を望遠鏡の近くに運んで体制を作ります。椅子、テーブル、パソコンなどを運んで使いやすいところに置いてください。望遠鏡からぶつからないところに離しておきましょう。
椅子は観測姿勢を維持するのに必須です。中途半端な姿勢は避けて観測してください。
観測時は椅子に座って身体の揺れが出ないようにしましょう。
反射望遠鏡は光軸調整をします【屈折式は不要です】
反射望遠鏡はこれから光軸調整が必要です。レーザーコリメーターがあれば時間はかなり短縮できます。
ない時は接眼部から覗き込んで合わせます。反射望遠鏡はこの作業を癖にするといいです。
像がぜんぜんちがいます。屈折望遠鏡は気にしないでけっこうです。
レーザーコリメーターは光軸調整に必須です
レーザーコリメーターの電池はありますか?必ず確認しましょう。
初心者用の望遠鏡は接眼部の精度が甘い
初心者用の望遠鏡はアイピースを取り換えると光軸が合わなくなることが多いので、変更したアイピースのピント位置でもう一度光軸調整が必要なことがあります。気になったらやりましょう。
夜露対策をします【観測途中で夜露が降りると不可能になります】
必要であれば夜露対策もしましょう。夏に深夜まで観測しているとけっこう夜露にやられます。
レンズか斜鏡の近くにホッカイロを貼るだけでも効果あります。
大気順応について
大気順応をします。季節にもよりますが13センチのニュートン式だと厳寒期に室内から外に出すと1時間くらいはかかります。
望遠鏡はできるだけ早めに外気に触れさせるようにしてください。夏はすぐに観測に入りますが問題はないようです。
温度差のあるところで使用すると必ず影響があります。屈折望遠鏡でも大気順応は必要です。
観測開始は低倍率から
いちばん低倍率になるアイピースをつけてピント合わせをしてください。空のどこでもいいですから望遠鏡をむけて適当にピントを回して視野内の星で軽く合わせます。
アライメントを開始する【自動導入機】
自動導入機も手動導入機でも水平はできるだけ正確に出すようにしましょう。
正確な水平の確保にこだわりましょう【手動導入機もです】
アライメント作業をしましょう。まずは水平を正確に合わせます。付属の気泡管で簡単に合わせることができます。できるだけ目盛りのセンターに入れるようにこだわりましょう。
アライメント星は観測する天体で考えます
スカイウォッチャー製の望遠鏡はSynScanが操作アプリです。アライメントに使う星は観測したい天体の場所に近い星がベターです。
望遠鏡のメーカーによって違います。アライメントについては各望遠鏡の指定のアライメント方法で合わせてください。
アライメントの詳しい記事はこちらです。
観測テーマに合わせたアイピース(接眼レンズ)の選定
アイピースの選び方は対象によって変わります。月、惑星は高倍率。DSOは低倍率がセオリーですが自分の気に入った倍率で観測しましょう。
倍率に関して絶対的な基準はありません
- 木星の衛星を観測するなら低倍率がいいです。球状星団などは高倍率でも面白いです。倍率を変えながら自分の好みを見つけてください。
- ひかりが薄い散光星雲は高倍率にすると見えづらくなります。しかし望遠鏡の口径との兼ね合いがあり絶対はありません。一般的に口径をミリにした2倍が限界倍率と言われています。最低倍率は口径をセンチにした2倍くらいと考えてください。
- 10センチの望遠鏡だと100ミリの2倍で200倍が上限倍率【あくまで目途です】
- 10センチの望遠鏡だと10センチの2倍で20倍が下限倍率【あくまで目途です】
- 明るい木星や火星は上限倍率を超えたほうが見やすい時もあります。【光学性能が良い望遠鏡の場合】
アイピースを変更するとピント位置も変わります
アイピースを変えて倍率の変更をしたときはもう一度ピント合わせが必要です。
惑星観測のピント合わせは納得いくまでやるしかありません。光軸調整をして、じっくり腰を落ち着けてハンドルを前後させてください。
月、惑星の導入
惑星は海王星や冥王星などを除くと自分の目で現認できます。まずは自分の目でどれなのか見つけてください。
星座アプリを使えばすぐに見つけられます。かなり明るく輝いていますから。
まずファインダーで捉えると望遠鏡の視野に入っています。【最低倍率です】
DSO(銀河、星雲、星団)の導入
ほとんどが肉眼では見つけられません。近くの目印になる星から検討をつけて望遠鏡を振り回して探します。
忍耐あるのみです。自動導入機を使えば多少楽になりますが見え方がショボいので確認するのに苦労すると思います。
望遠鏡で捉えたとしてもDSO(銀河、星雲、星団)ですぐに識別できるのはオリオン星雲M42、アンドロメダ銀河M31、ヘラクレス座球状星団M13、いて座M22くらいだと思います。電子観望をすれば天体写真のような構造を見ることができます。
日周運動を追いかける
すべての天体は日周運動で動きます。望遠鏡で拡大していると肉眼では動きが判らない天体が常に動いていることがわかります。
とくに100倍以上の高倍率になると落ち着いて見ている暇がなくなるといっても過言ではありません。
微動装置を使って追いかけますが微動に触ると必ず望遠鏡が揺れます。
何秒か揺れが収まるまでまってから観測再開します。けっこうストレスになります。
自動導入機は自動追尾機能も付属しています。揺れはありません。
自動導入経緯台は導入だけでなく追尾もしてくれる初心者にはありがたい望遠鏡です。
電子観望のときは
- パソコンの画面は発光しています。CMOSカメラが光を拾わないように遮光できるボックスがあったほうがいいですよ。
- PCは電源の確保も考えてください。クルマからとるか携帯バッテリーを使うのか。
- CMOSカメラを取り付けているときはケーブルに用心してください。自動で動かしていると架台に巻き付いたり足に引っ掛けたりします。
- 惑星や月は外光の影響をうけませんがDSOは少しの光でも影響をうけます。DSO観測は外光のある方向はさけるようにしましょう。
たくさん書きましたがなにか参考になればうれしいです。
これからも追加できるものがあれば追加します
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