夏の天の川には球状星団がウジャウジャです。それこそNGCも入れるとキリがないほどあります。とりあえずはさそり座とへびつかい座いて座を中心にメシエの球状星団を電子観望します。飽きずに最後まで読んでください。
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- ほぼ同じ形をしている球状星団
- 観測データ、梅雨の晴れ間でけっこういい状況でした
- さそり座からスタートする球状星団めぐり
- さそり座球状星団M4【5.4等級】 アンタレスの近くにあります
- さそり座球状星団M80【7.3等級】
- へびつかい座球状星団M107【7.8等級】
- へびつかい座球状星団M12【6.1等級】
- へびつかい座球状星団M10【6.6等級】
- へびつかい座球状星団M14【7.6等級】
- へびつかい座球状星団M9【7.8等級】
- へびつかい座球状星団M19【6.8等級】
- いて座球状星団M22【5.2等級】巨大球状星団です
- いて座球状星団M28【6.9等級】
- へびつかい座球状星団M62【6.4等級】
- いて座球状星団M54【7.7等級】
- いて座球状星団M70【7.8等級】
- いて座球状星団M69【8.3等級】
- いて座球状星団NGC6638【9.68等級】 おまけです
- いて座M20三裂星雲【散光星雲】おまけです
ほぼ同じ形をしている球状星団
明るさや星の密集度に違いはありますが球状星団は同じような形をしています。見分けをつけるのにはかなりの訓練がいるようです。
それでも電子観望の対象としては中心部の光が強くて比較的に見つけやすい対象です。
それにとても理解できない形状に恒星が集まっている事実を確認するためにもぜひ観測しましょう。
私は宇宙空間に星がばらけて存在していることまではなんとなく納得できるのですが、球状に集結してバランスを保っていることがどうしても理解できません。
観測データ、梅雨の晴れ間でけっこういい状況でした
ひさしぶりに星が見えます。夏の天体観測は虫を除けば自然の涼感を楽しむことのできる逃すことのできない楽しみです。
観測日と観測地点
【観測日】2024年7月4日20時頃から22時過ぎまで
【観測地】地方都市の住宅街。光害はありますがさそり座の形は確認できます。天の川はまったく見えません。
【大気状況】月齢27.4 まったく影響ありません。天気も快晴です。透明度はまずまずといったところです。
電子観望の設定【SharpCap4.1】
【露出時間】2.0秒 球状星団は中心部が飽和して潰れる傾向があるので露出を短めにしました。
【ゲイン】420 南天の高度の低い天体を狙うので街灯や室内照明などの光害の影響を考えて低めにしました。ふだんはゲイン500に設定することが多いです。
【スタック枚数】すべて50枚以上100枚まで。スタック枚数は多いに越したことないのですが対象の数が多いので100枚以下にしました。これ以上増やしてもノイズは減らないと思います。
SkyWhacher製AZ-GteP130N ニュートン式反射望遠鏡
ニュートン式反射望遠鏡 | 口径130ミリ | 焦点距離650ミリ(F5) | 自動導入自動追尾式経緯台 |
倍率65×・26× | 単三乾電池8本で駆動(電池は別売り) | レッドドットファインダー付属 | |
極限等級12.4等 | 集光力345倍 | アリガタ接続 |
この望遠鏡はすでに廃盤になった機種です。後継機としてはBKP130+AZ-Go2とP130 VIRTUOSO GTi(ヴィルトオーソ)になると思います。
特にP130 VIRTUOSO GTi(ヴィルトオーソ)は架台の形状が違いますが鏡筒は同じ仕様です。
どちらも当サイトのおすすめ機種です。
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player One社製 ceres-cケレス CMOSカメラ
品名 | ceres-c |
CMOSセンサー | Sony IMX224(カラー) |
センサーサイズ | 1/3型(4.9×3.7mm) |
解像度 | 1304×976(127万画素) |
ピクセルサイズ | 3.75μm(ピクセルサイズが大きいので感度いいですよ) |
電子観望に使用できるCMOSカメラとしては最安値でしょう。
さそり座からスタートする球状星団めぐり
さそり座にはメシエの球状星団がふたつあります。M4とM80です。
これ以外にもNGCが数個ありますが高度が低いのが難点です。
アライメントはSynScanProのブライトスターアライメントを使いました。
水平を正確に出してからアライメントです。ひとつ目のアライメント星はスピカ、ふたつ目はアンタレスです。
スピカを導入完了すると自動でふたつ目のアライメント星に向かいますが。
アンタレスは26倍の視野に入っていません。10倍のファインダーの端にようやく見えてました。
最近はふたつ目のアライメント星が26倍の視野に入ることはほとんどありません。ファインダーの10倍の視野内に入るのがせいぜいです。それでも導入精度が特別悪いとは感じません。Azgteはこの程度だと思って使うようにしています
さそり座球状星団M4【5.4等級】 アンタレスの近くにあります

さそり座の主星アンタレスは1等星で明るくしかも赤く輝いています。とても目立つ星です。
高度はあまり高く上がらないので観測できる時間は限られていますがさそり座はサソリそのものの形をした星座です。
M4は南中時にはとても見つけやすい高さになってくれて光度もあかるい星団なので見つけやす対象です。
アンタレスから一発導入出来ました。すぐそばにある天体なので外れることはないと思います。
画像のように球状星団にしては中心部の星の密集が少なく、大きさはあるのですが派手な天体ではありません。
球状星団のなかでは異質な感じがします。眼視観測ではぼんやりとした光の塊です。星を分離しているようには感じません。
さそり座球状星団M80【7.3等級】

移動距離が短いのでM4からの導入は一発導入でした。M4にくらべて見た目がかなり小さい球状星団です。
中心部が密集して周辺の星が分離しているので球状星団らしいのですが小さいので迫力はありません。
中心部はかなり密集しているせいか飽和して星が分離できません。
焦点距離が650ミリあるおかげで形状を観察することができます。
へびつかい座球状星団M107【7.8等級】

早くも一発導入できませんでした。M80からは少し離れているとはいえAzgteの導入精度は感心できるものではありません。
けっこうズレていましたが探したところすぐに見つけることができました。
球状星団の割には暗くて画面から見つけるのが難しいかもしれません。
この球状星団も中心部がまばらな感じがします。見かけの大きさはそれなりにありますが暗い方です。
導入できていなくても球状星団は見つけやすいです。前後左右にコントロールパネルから望遠鏡を動かして掃天するとすぐに見つけられました。
へびつかい座球状星団M12【6.1等級】

また導入できませんでしたがM107とほぼ同じ位置にずれていたので、すぐに見つけることができました。
けっこう大きな球状星団です。中心部は明るい方ではありません。
これも一般的なイメージよりまばらな感じの球状星団です。意外と球状星団も変化に富んでいるものですね。
へびつかい座球状星団M10【6.6等級】

口径13センチ焦点距離650ミリの望遠鏡で観測するには、大きさも星の密集具合もちょうどよい理想的な球状星団ではないでしょうか。
それにしてもボール状に恒星が集まっているのはなぜでしょう?
へびつかい座球状星団M14【7.6等級】

薄いですね実際の等級は7.6です。中心部の密集度がひくいのでしょうか。
見かけの大きさはあるので、もうすこし露出を伸ばすかゲインをあげたほうが良く見えるでしょう。
へびつかい座球状星団M9【7.8等級】

ちょっと小さめですが中心部の光がしっかりしています。
焦点距離650ミリだとこのクラスの大きさが形状を楽しむ限界なのでしょうか?
へびつかい座球状星団M19【6.8等級】

集合している星の数が多いように感じます。
見かけは小さいけど明るく探しやすい天体です。ギュッと詰まった感じがします。
いて座球状星団M22【5.2等級】巨大球状星団です

北天の球状星団ではヘラクレス座M13と並ぶ巨大星団です。
焦点距離650ミリにceres-cの組み合わせだと画面いっぱいに広がって見えます。
露出を4秒にすると中心部が飽和して立体感が出ませんが、その明るさが迫力を増してくれます。
眼視観測でも周辺部がざらざらした感じに見えて明らかに星雲とは違う天体だとわかります。
いて座球状星団M28【6.9等級】

ちいさい球状星団ですが明るくて画面でもすぐにわかります。
少しいびつな感じがしますがどうでしょう?
へびつかい座球状星団M62【6.4等級】

小さめですが球状星団の形状が良くわかります。
天の川のなかにある球状星団なので周りの星も多いですね。
いて座球状星団M54【7.7等級】

小さいです。周辺部は星雲状です。この望遠鏡では存在を確認する程度ですね。
明るいので画面の中で一目瞭然です。周辺の星の分離はできませんでした。
いて座球状星団M70【7.8等級】

高度も低いし見かけも小さいですが、とりあえず存在はわかりました。
いて座球状星団M69【8.3等級】

M70のすぐそばにあります。13センチ650ミリでは厳しいですね。
いて座球状星団NGC6638【9.68等級】 おまけです

ちなみに夏の天の川にはNGCの球状星団も大量にあります。
NGCはメシエよりも小さくて暗いものがほとんどなのですがためしに観望して見ました。
想像通りです。形状を観察するのは難しそうです。存在確認で狙うのはありでしょう。
もっと広角のCMOSカメラで群像として狙うのは面白そうですね。
いて座M20三裂星雲【散光星雲】おまけです

球状星団の記事ですがメジャーな散光星雲を1点アップします。
こちらは露出4.0秒ゲイン472にしました。スタック枚数は52枚です。赤と薄い青がでてカラフルです。
ところでライブスタック前は露出が0.5秒でPC画面から天体を探しているのですが、このM20は識別がかなり難しいのです。
球状星団はすぐにわかりますが散光星雲はライブスタックをかけるとはっきりしてきますが、0.5秒では画面の中に入っているのか識別に苦労します。
さそり座へびつかい座いて座にある球状星団を自動導入でサーフィンしました。
アライメントはスピカとアンタレスです。当日はこれ一回きりです。
ceres-cの1/3センサーに捉えることができたのはM4とM80ぐらいです。
その後は画面に入っていないのでアプリの←ボタンで前後左右に望遠鏡を動かして導入しました。
ずれはほぼ一定なので、だいたいの位置は見当がつきます。
球状星団は中心部の光がしっかりしているので画面の中から見落とすことはまず考えられません。
天の川の星粒と球状星団の組み合わせは一見の価値ありですよ!