【電子観望】を低予算で始める機材の紹介とやり方!
天体望遠鏡の能力を最大限生かす【電子観望】の概略についての記事です。
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Deep-Sky Objectsの頭文字からとった天文用語。太陽系外にある星雲、星団、銀河のことを指します。メシエ(M)、NGCのカタログ番号を割り当てられた膨大な数の天体です。オリオン星雲、アンドロメダ銀河など。

【電子観望】とは望遠鏡とパソコンでする新しい天体観測の方法です!
- 【電子観望】必要なものリスト・予算は10万円以内
- 【厳選4セット】初心者におすすめ電子観望用望遠鏡セット
- 自動導入・自動追尾式経緯台は電子観望に必須機能!
- ニュートン式反射望遠鏡の毛嫌いされる理由!
- 安価なアクロマートによる電子観望【初心者おすすめ】
- おすすめCMOSカメラ SV705C【カラー】コスパ最高!
- 【電子観望】おすすめCMOSカメラuranus-c(ウラヌス)
- 【電子観望】のやり方を簡単解説。
- 【オリオン星雲を電子観望】ながれと機能を解説
- オリオン星雲を導入する【自動導入】
- 【電子観望】パソコンを立ち上げてCMOSカメラを接続
- ライブスタック【SharpCap】
- 電子観望のまとめ
- 【電子観望】はなんでもあり!ベランダ天体観測の開始
- 初心者から中級者にステップアップ!
- 【電子観望】の天体写真との大きな違い|天体をたくさん観測できます!
- お手軽【電子観望】のタイムスケジュール
【電子観望】必要なものリスト・予算は10万円以内
| 天体望遠鏡 | 屈折式・反射式どちらでも可。焦点距離は長くないもの。架台三脚込み 6万円前後~ おすすめは反射望遠鏡のセット品。 |
| 三脚付きの架台 | 赤道儀、経緯台のどちらでも自動導入自動追尾機能が必須 三脚付き |
| CMOSカメラ | 41580円~ SVbony社 SV705C |
| パソコン | Intel corei5以上 メモリ8GB ストレージ128GB以上 |
| ソフト | 【電子観望】用ソフトSharpCap無料版 |
| スマホ | 望遠鏡の操作に使います(ios、アンドロイド)望遠鏡によっては不要です |

当ブログおススメ最安値セット
| 望遠鏡P130VIRTUOSO GTi | CMOSカメラ【SV705C】 | 合計 |
|---|---|---|
| 55242円税込み | 41580円税込み | 96,822円税込み |
追加オプションや改造なしで電子観望を楽しめます。そして月面のクレーターや土星の環を自分の目で観測することもできます。
土星の環が見たい方はこちらの記事へ
【厳選4セット】初心者におすすめ電子観望用望遠鏡セット

電子観望をするために必ず必要な機能として天体の日周運動を追いかける自動追尾機能があります。

- F値は焦点距離÷口径です
- 【例】焦点距離1000ミリ÷口径100ミリ=F10
- DSO(銀河、星雲、星団)の電子観望には小さいほうが有利
コスト重視ニュートン反射電子観望セット【電子観望には最適】
| 望遠鏡 | 望遠鏡の価格 | CMOSカメラ | カメラの価格 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| Sky-Watcher P130 VIRTUOSO GTi(ヴィルトオーソ) | 55242円 | SVbony社 SV705C | 41580円 | 96822円 |
- 架台がべた置きで三脚の振動がなく電子観望には最適です。眼視観測の時はかさ上げしないと観測姿勢が厳しくなります。架台の搭載重量が6キロと余裕があるのは何気に高評価です。
- 初心者用のニュートン反射で光軸は狂いにくい構造です。それでも光軸調整は必ず必要になる作業です。ニュートン反射が持つ光軸調整、大気順応、操作性について受け入れてもらう必要はあります。
virtuoso DTi P130望遠鏡の詳しい解説はこちらの記事です
ニュートン反射電子観望セット【万能セット】
口径13センチで多くのDSO(銀河、星雲、星団)が電子観望できます。200倍の高倍率にしても自動追尾で快適な観測。電子と眼視どちらも使える万能機!
| 望遠鏡 | 望遠鏡の価格 | CMOSカメラ | カメラの価格 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| Sky-Watcher New BKP130 + AZ-Go2 | 64900円 | SVbony社 SV705C | 41580円 | 106480円 |
- 初心者用とは思えない充実した内容です。特に主鏡の光軸調整が正確にできる仕様です。三脚タイプで眼視観測、電子観望のどちらでも満足度の高い観測が期待できます。
- ニュートン反射が持つ光軸調整、大気順応、操作性について受け入れてもらえるのなら最高の選択です。
アクロマート屈折電子観望セット【初心者おすすめ広角観望】
使いやすさは一番!光軸調整、大気順応、操作性などで悩まされることはありません。天体の導入が正確でストレスのない電子観望が楽しめます!
| 望遠鏡と架台 | 価格 | カメラとパーツ | 価格 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| SkyWatcher STARQUEST 80 鏡筒 | 19800円 | SVbony社 SV705C | 41580円 | ーーー |
| Sky-Watcher VIRTUOSO GTi マウント | 36300円 | SVbony社 UV/IRカットフィルター | 3580円 | 101260円 |
- 簡単で導入も追尾も信頼性が高く初心者に優しいセットです。基本的に電子観望用の望遠鏡です【土星の環くらい見えます】
- 若干の色収差はありますが実用十分です。画角が大きく広がった星雲などが楽しめます。架台はべた置きの電子観望向きですが眼視観測ではかさ上げが必要です。

アクロマート屈折電子観望セット【操作簡単、広角観望】
使いやすさは一番!光軸調整、大気順応、操作性などで悩まされることはありません。天体の導入が正確でストレスのない電子観望が楽しめます!
| 望遠鏡と架台 | 価格 | カメラとパーツ | 価格 | 合計金額 |
|---|---|---|---|---|
| SkyWatcher STARQUEST 80 鏡筒 | 19800円 | SVbony社 SV705C | 41580円 | ーーー |
| Sky Watcher AZ-GTiマウント+三脚 | 56100円 | SVbony社 UV/IRカットフィルター | 3580円 | 121060円 |
- 操作が簡単で導入も追尾も信頼度が高く初心者に優しいセットです。基本的に電子観望用の望遠鏡です。【土星の環くらい見えます】
- 若干の色収差はありますが実用十分だと思います。画角が大きく広がった星雲などが楽しめます。眼視観測でも三脚が観測姿勢を確保してくれます。

アクロマート屈折でする電子観望の詳細はこちらの記事です
自動導入・自動追尾式経緯台は電子観望に必須機能!
- 【電子観望】は自動導入自動追尾機能付きの望遠鏡が必要です。
- 低いコストでも満足できる見え方です!
- DSO(銀河、星雲、星団)の電子観望はF値が低い方が有利です。
- 【電子観望】から天体写真にステップアップすることもできます。
【電子観望】に使う初心者用望遠鏡の多くはスマホで操作します。天体の導入もスマホのアプリを使い導入します。導入すると追尾もして天体を逃がしません。この機能のおかげで電子観望ができます。
ニュートン式反射望遠鏡の毛嫌いされる理由!
- 取り扱いに慣れが必要
- 大気順応が必要
- 光軸調整などのメンテも必要
ニュートン式反射望遠鏡の構造は図のようになっています。この構造から取り扱いに慣れが必要でメンテナンスの煩雑さために初心者では扱えないという評価が一般的になっています。

主鏡の反射光を前方の斜鏡(平面鏡)で側面にとりだす形式の望遠鏡です。横から覗きます。不評のメンテもあります。電子観望、眼視観測ともに使えますが慣れが必要です。
ニュートン式反望遠鏡の操作上の戸惑い
自動導入できれば導入のための操作がなくなります
鏡筒の横に接眼部があります。ここから望遠鏡を覗き込みます。天体を正面にできないため導入時にかなり戸惑います。この点は自動導入でかなり改善されます。
メンテナンスの煩雑さ【光軸調整は必須作業!】
鏡筒の中空に斜鏡があり集光してくる光を90度折り曲げています。この斜鏡が頻繁に狂います。観測前にこの調整をほぼ毎回するものと考えたほうがいいでしょう。【光軸調整】
※レーザーコリメーター使ったら簡単で正確に光軸調整できます
大気順応が必要!
冬に室内から室外に持ち出すときは、できるだけ温度に順応させる必要はあります
ニュートン式反射望遠鏡は鏡筒がガランドウです。外気と保管場所の気温差があると気流が発生することで像が乱れます。
対策は主鏡を外気温になじませることになります。放置時間は主鏡の大きさによって変わりますが30分以上かかることもあります。
ニュートン式反射望遠鏡の持つメリット

- 大口径が安い
- 色収差がない
- 短焦点にしやすい
おなじ口径の屈折式に比べて半分以下の価格です。反射式には色収差はなくシャープな見え味で応えてくれます。短焦点で鏡筒を短くすることが可能で大口径の望遠鏡を所有することができます。
DSO(銀河、星雲、星団)は非常に暗い天体が多くF値を小さくできるニュートン反射が有利です。
※望遠鏡の光学性能は口径の大きさで決まります!
ニュートン式反射望遠鏡の詳しい説明はこちらの記事を参考にしてください
安価なアクロマートによる電子観望【初心者おすすめ】
- 天体の導入精度が高い
- 光軸調整、大気順応が不要
- 大きく広がる星雲が得意
- 稼働率があがる
鏡筒が小さく架台に負担がかからないため導入で苦労することはありません。取り扱いは非常に簡単です。
口径が小さいため小さな銀河は不利になりますがガス星雲などはよく見えます。コンパクトで天気が良ければいつでも観測できます。ニュートン反射に自信のない方はぜひ検討してください。
おすすめCMOSカメラ SV705C【カラー】コスパ最高!
| 機能 | コメント |
| SV705C | 41580円税込み |
| CMOSセンサーIMX585 | SONY製 |
| 解像度:3856×2180(829万画素) | 大きめの画角でDSO(銀河、星雲、星団)の群像も楽しめます |
| センサーサイズ:11.2×6.3ミリ(1/1.2型) | DSO(銀河、星雲、星団)でも惑星でもこなせる万能機 |
| ピクセルサイズ:2.9ミクロン | 高感度でDSO(銀河、星雲、星団)もよく映し画質は滑らかです |
| ノイズ対策 | ノンアンプグローでノイズ対策しています |
| 重量:?グラム | 軽くて接眼部に負担をかけない |
uranus-c、ASI585MCと同じセンサーを使ったSVBONYの商品です。同じセンサーなのにエグイ価格差です。【▲30000円】
DSO(銀河、星雲、星団)に関してはそれなりの評価をもらっています。月、惑星はuranu-cに及びません。
センサーサイズが大きく映る範囲が広いので導入が楽です。そして大きな天体の全体像を捉えることができます。ノイズも少なく画像が高品質です。

【電子観望】おすすめCMOSカメラuranus-c(ウラヌス)
| 機能 | コメント |
| uranus-c(ウラヌス) | 72600円税込み |
| CMOSセンサーIMX585 | SONY製 |
| 解像度:3856×2180(840万画素) | 大きめの画角でDSO(銀河、星雲、星団)の群像も楽しめます |
| センサーサイズ:11.2×6.3ミリ(1/1.2型) | DSO(銀河、星雲、星団)でも惑星でもこなせる万能機 |
| ピクセルサイズ:2.9ミクロン | 高感度でDSO(銀河、星雲、星団)もよく映し画質は滑らかです |
| ノイズ対策 | DPSテクノロジー、ノンアンプグローでノイズはかなり少なくなっています |
| 重量:180グラム | 軽くて接眼部に負担をかけない |
私が使っているCMOSカメラです。ノイズの少ない滑らかな画像で応えてくれます。本気で電子観望にトライする方におすすめしたいCMOSカメラです。
画角が大きいのでAzgtのような自動導入経緯台には扱いやすいと言えます。
◎このところCMOSカメラの在庫切れ納期未定が続いています即納品CMOSカメラの記事はこちらです
【電子観望】のやり方を簡単解説。
望遠鏡の接眼部にCMOSカメラを差し込みPC画面でリアルタイムに天体の画像を観測します。日周運動に合わせて自動追尾する経緯台または赤道儀を使用します。

この画像のように望遠鏡に電子カメラを取り付けてパソコンの画面で見る天体観測の方法です(現在の主流はCMOSカメラ)。
CMOSカメラをパソコンにつなぎパソコン画面に捉えている天体をリアル表示します。
天体望遠鏡は市販されている望遠鏡を使います。初心者用でも大丈夫です。天体の動きを自動で追いかける自動追尾装置付きの架台が必要です。(必須)
一眼レフカメラを使用しての【電子観望】も可能ですが、改造が必要であったり取り付けにパーツがいります。初心者用の望遠鏡では接眼部がカメラの重量に耐えられません。さらに機械式のシャッターは電子観望で使用すると耐用回数をすぐにオーバーすることがあります。CMOSカメラをおすすめします。

【オリオン星雲を電子観望】ながれと機能を解説
オリオン星雲M42を実際に電子観望をしたときの流れを各項目ごと紹介します。
ライブスタックとは【SharpCapにある最も重要な機能です】
1枚が数秒(1~15秒くらい)の画像データを重ねていき平均値を画像として表示します。ノイズは平均化されることで薄れていき、全体の輪郭がはっきりと出ます。スタック枚数は条件によって変わりますが最大でも100枚前後で充分に鑑賞に耐える画像になります。
望遠鏡のセッティング【水平な設置にこだわる】
自動導入機の導入精度を高くするには正確な水平設置が必要になります
望遠鏡が正確に水平回転ができるように設置してください。三脚の長さ調整で気泡管を見ながら水平に設置します。
脚付きの下に薄い板状の物を敷くことで調整する方法もあります。望遠鏡が水平に回転しないと導入精度が悪くなります。
スムーズな電子観望をするために慎重に合わせましょう。
SynScanアプリと望遠鏡を接続
アライメントは自動導入を使うために必要な作業
望遠鏡の設置が完了したら接眼レンズにいちばん低い倍率を挿入します。つぎに架台の電源スイッチを入れます。SynScanProアプリを立ち上げてWi-Fiを接続します。
接続が完了するとスマホは望遠鏡のリモコンになります。この時はネットと遮断されているためインターネットを見ることはできません。電話は繋がります。
ピントはある程度合わせておきます。こだわって正確に合わせる必要はありません。星が点に見えるぐらいで十分です。
SynScanProアプリのアライメント【ふたつの星を選択する】
最初にする作業がアライメントです。ふたつの星を覚えてもらい望遠鏡に自分の位置を記憶させます。
アプリのメニューからアライメントをタップしてブライトスターアライメントを選びます。
当日に選べるひとつめの1等星が提示されます。リゲルを選びます。選ぶとふたつめのアライメントの候補星が提示されます。この時は2等星まで含めた大量の候補が示されます。
ふたつめの星ミラを選択してアライメントをスタートします。
ファインダーかレッドドットポインターは事前に合わせておくようにしてください。
ひとつ目のアライメント星リゲルを導入する
ブライトスターアライメントではひとつめのアライメント星の導入は手動でします。
SynScanProアプリを使って望遠鏡を動かします。リゲルの方向に持っていきます。このときに作動スピードを最速の⑨にしましょう。
最低倍率の時は望遠鏡の真後ろからリゲルが一直線になるようにすれば視野の中に入ります。入ったらピントを正確に合わせます。
ピントが合ってリゲルを真ん中にしてからタップすると自動的にふたつめのアライメント星に向かいます。
ひとつめの導入に苦労するときはファインダーを使って導入しましょう。
ふたつ目の導入してアライメント完了
倍率が30倍くらいでふたつめのアライメント星が視野に入っていないときは水平が正確でない可能性が高いです。そのときは水平をもう一度正確に出しましょう。
ふたつめのアライメント星ミラも真ん中に持っていき画面をタップするとこれで完了です。
ふたつの星の位置を記憶したので、このあとはアプリのメニューにある天体に自動で向かってくれます。
アライメント星は導入したい天体を挟む形になるように選んだほうが導入精度がよくなります
オリオン星雲を導入する【自動導入】
アプリのメニューからオリオン星雲のメシエ番号42を選択します。
アプリのメニューでディープスカイを選びそのなかにあるメシエ天体に42を入力します。
タップすると自動で目標天体に向かいます。uranu-cであれば画面のどこかに入っていると思います。
導入できていないときはアプリをタップして周辺を探すようにしてください。ファインダーがあればオリオン星雲は眼視で確認できます。ファインダーを見ながら導入することができます。ただしこのやり方はほかのDSO(銀河、星雲、星団)では使えません。オリオン星雲が特別明るい星雲だから可能なだけです!
まずはオリオン星雲を眼視観測
オリオン星雲を視野の真ん中にします。【さらに】をタップして次に【ポイント&ドラッグ】をタップすると自動追尾してくれます。せっかくなので眼視観測で楽しみましょう。
この星雲はDSO(銀河、星雲、星団)のなかでいちばんよく見える天体です。ボンヤリとはしていますが光の強さが違います。蝶の羽を思わせる姿と構造もわかります。
眼視観測の次は電子観望です。パソコンにつながれたCMOSカメラを接眼レンズと差し替えます。鏡筒に力を加えないように慎重に交換してください。
オリオン星雲は画面に入っていれば必ずわかります。そのくらい明るいDSO(銀河、星雲、星団)です。
【電子観望】パソコンを立ち上げてCMOSカメラを接続
- 撮像範囲は【Auto】にします
- 露出時間0.5秒または1.0秒
- ゲイン500【周囲の環境で変わります】
パソコンでSharpCapを立ち上げましょう。メニューバーにあるカメラを選択すると設定ができます。【接続したカメラの型番が出ます】
【露出時間】0.5秒または1.0秒です。これ以上長くすると操作性が悪化します。短いと画面に星が出ません。
CMOSカメラの型番はSharpCapにあらかじめ登録されています。ケーブルをつなぐと自動認識されています。
SharpCapでピントを合わせる
ノイズは多い画質ですがこのままピントを合わせます。パソコンを接眼部に近づけて画面を見ながらハンドル操作でピントを合わせます。
画面上で星の形がいちばん小さくシャープになるように調整します。ピントが合ってもノイズの多い画面なので画質を整えるためにライブスタックをします。
精密に合わせるときは撮像範囲を100パーセントにすると星のサイズが大きくなるので合わせやすくなります
ライブスタック前の画質をヒストグラムで調整
背景をできるだけ明るくしてノイズの中でも 天体が良く見えるようにする
0.5秒の画質はノイズだらけです。背景を暗くするとノイズは減りますが弱い光が埋もれて暗いDSO(銀河、星雲、星団)が見えなくなります。
背景が暗くなりすぎないようにヒストグラムにあるスライダー棒2本を調整しながら見やすい画質に調整します。
【Black】黒レベル(最低輝度)を設定します
【Mid】中間の明るさ(中間トーン)を調整します
【White】 は明るい部分の上限(通常固定)です
ライブスタック【SharpCap】

画像データを重ね合わせたうえで平均化することでノイズの少ない画質にする技術です。
ライブスタックに入るときはコントロールパネルにあるヒストグラムをクリアします。デフォルトになると画質は悪くなります。
ライブスタックの露出時間を設定する
露出時間4.0秒で設定します。撮像範囲・ゲインはそのままです。
メニューバーにあるライブスタックをクリックするとスタートします。あらたにヒストグラムが画面に出現します。
4秒ごとに画像の品質が向上していきます。

見てると画面がドンドンきれいになっていきます
露出時間4.0秒は一般論です。露出時間は当日の状況と対象とする天体によって変更します。
ヒストグラムによる最終調整
画面に重なっているヒストグラムの2本のスライダー棒【BlackとMidの点線】を使って画質の調整をします。いちばんよく見える状態をご自分の感性で探してください。
BlackとMidのスライダー棒を左に寄せると画面が暗くなります。右は明るくなります。
スタック枚数が多いほどノイズは薄れていきます。ただし経緯台では総露出時間が長くなると写野回転が起こります。30分は厳しいと思います。最大でも15~20分くらいではないでしょうか。
ライブスタック中のゲインや露出の変更はできません!
BlackとMidのスライダー棒を使った画質の微調整
- まずBlackを調整して背景を締める。
- 次にMidで淡い構造を引き出す。
- スタックが進むにつれてノイズが減るので、再度微調整。
【Black】黒レベル(最低輝度)を設定します
【Mid】中間の明るさ(中間トーン)を調整します
【White】 は明るい部分の上限(通常固定)です
電子観望のまとめ
- CMOSカメラの画質は1枚ではノイズが目立ち粗いのですが、スタックしていくことで滑らかな画質になります。スタック枚数が多いほどノイズは目立たなくなります。
- 撮影中に画面を見ながら画質調整をするヒストグラムという機能で画質の調整をかけます。すべてパソコンのSharpCapを操作して調整します。
- PC画面で拡大縮小ができます。天体のサイズや構図は観測者のセンスです。
- 室内からWi-Fiで望遠鏡を動かしながら次々と天体サーフィンできます。
- 冬でも快適観望です。(天体望遠鏡をスマホでコントロールできるタイプですが、現在の初心者用望遠鏡では標準で自動導入機能がついている機種がたくさんあります)

高齢者にも優しい厳冬の【電子観望】!
- 天体の日周運動は架台の自動追尾で追いかけてくれます。(自動導入機能がついている望遠鏡は自動追尾もしてくれます)
- 保存した画像を後日、画像処理をして見栄えのよい天体写真にバージョンアップすることも可能です。
- 電子観望をするための特別な作業はありません。通常の観測とほぼ同じです。接眼レンズの代わりにCMOSカメラを使いパソコンで見るだけです。
薄いひかり暗い天体もあぶり出して望遠鏡より見える【電子観望】!

寒い季節に部屋の中からぬくぬく【電子観望】してると幸せな気持ちになれます。夏もやぶ蚊の攻撃を避けてエアコンの効いた部屋で【電子観望】です。アウトドアや車中泊は【電子観望】と親和性が高く、もっと盛りあがると思います。
望遠鏡では見えなかった暗くて薄いひかりも【電子観望】はあぶり出してくれます。初心者用の望遠鏡でも驚きの宇宙を見せてくれます。
【電子観望】が映し出す宇宙の姿は凄いです!昭和の天文台が見せてくれた天体写真を超えています。
- 月、惑星(水星、金星、火星、木星、土星、彗星その他)、オリオン星雲やアンドロメダ銀河のような星雲、星団、銀河など、なんでも見ることができます。
- 【電子観望】用のソフトが必要です。CMOSカメラにはシャッターはありません。感度の設定など、すべてソフトを使って観望、保存をします。SharpCapという無料ソフトを使用します。https://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloadsからダウンロードできます。
- CMOSカメラの感度は高く短い露出時間でも眼視観測よりはっきり見えます。
- オリオン星雲やアンドロメダ銀河などのDSO(銀河、星雲、星団)はソフト(Sharpcap)にあるライブスタックという機能を使用することで肉眼で見るよりも、はっきりと形状、構造、色がわかります。天体写真に近い見え方になります。肉眼で見る眼視観測とは全然違います。
- ほぼリアルタイムでしかも多人数で見ることができます。アウトドアや車中泊にもおすすめです。
- 望遠鏡はWi-Fiで遠隔操作ができます。冬季など室内でも車内でも電子観望できます。
●電子観望ソフトSharpCapはhttps://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloadsからダウンロードできます。無料版でも十分楽しめます。SharpCapの使い方についてはこちらの詳細記事をご覧ください。
パソコンはデスクトップでも望遠鏡の近くに持ってこれるのであれば使用できます。【ピント合わせをPC画面でする関係があり、取り回しのよいノートPCが便利だというだけです】
ピントを合わせるため望遠鏡のバックフォーカスに合わせて延長筒を使うこともあります。しかしバックフォーカスが短い望遠鏡には取り付け出来ません。注意して下さい!
【電子観望】はなんでもあり!ベランダ天体観測の開始

望遠鏡に接眼レンズの代わりにCMOSカメラを入れてパソコンで見るだけ!全天に無数あるDSO(銀河、星雲、星団)を楽しみましょう!日常世界では見ることができない驚異の世界です!【電子観望】で見えます!
天体写真でしか見たことのない月のクレーターや土星の環、木星の縞模様を自分で見たくないですか。
望遠鏡ではぼんやりとしか見えないオリオン星雲やアンドロメダ銀河も【電子観望】をすればはっきり見ることができます。

自分のお気に入りのDSO(銀河、星雲、星団)をさがしませんか
ほかにもDSO(銀河、星雲、星団)と呼ばれる天体は無数に存在します。初心者でも驚くような天体の姿を観測できます。
月のクレーターや土星の環を見るだけで終わる天体観測ではありません、ちょっと科学的であったり、アートであったり。【電子観望】はそんな楽しみ方ができます。
SharpCapを使って見え方の調整をします
画質は観測者のセンスで調整できる幅があります。背景を暗くして漆黒の宇宙にすることもできます。
明るめに設定するとひかりの薄い部分が残り天体の広がりを出すことができます。データーを納得いくように調整して見せ方を変えます。
初心者から中級者にステップアップ!

【電子観望】から天体写真にステップアップして、より高品質な画像にしていくことができます
望遠鏡やCMOSカメラには月、惑星が得意なもの、銀河、星雲、星団のDSO【銀河、星雲、星団】が得意なものとあります。用途によってオプションパーツを揃えていけば、より高度な観測ができます。
- 都市部でも光害カットフィルターを使えば【電子観望】できます。暗いDSO(銀河、星雲、星団)でも見ることが可能になります。
- 光害カットフィルターはいろいろあります。地方まで遠征しなくても都会で天体写真を撮ることは可能です。【電子観望】も同じ要領です。
- CMOSカメラは標準的な取り付けサイズが多いのでいろんな望遠鏡に取り付け出来ます。
- CMOSカメラには惑星観測が向いているものやDSO(銀河、星雲、星団)が得意なものなど各種あります。対象天体にあわせてCMOSカメラを変えて画像品質をあげていくことができます。
- 重い一眼レフカメラと違いCMOSカメラは軽量なので望遠鏡に負担がかかりません。初心者用の望遠鏡でも使えます。

想像以上にすごい姿の天体が見えますよ!
- 保存したデータを画像処理ソフトを使って高品質な天体写真に仕上げていくことができます。
- DSO(銀河、星雲、星団)、月、惑星を天体写真として品質をあげることができます。
- 望遠鏡の各種パーツを使うことで撮影の質を上げたり構図の幅を広くする楽しみがあります(各種パーツとはDSO(銀河、星雲、星団)にレデューサー、フラットナー、惑星にはバローレンズなどがあります)
- インスタグラムなどのSNSに画像をあげて楽しんでください。
- アウトドアや車中泊で仲間に見せたり、いろんな楽しみ方をみなさんで考えてください。
- 自動導入と自動追尾ができる望遠鏡であくまでも標準仕様で観測します。基本的に改造しなくても楽しめます。
望遠鏡は改造しません。これまでどおり眼視観測もできます。【電子観望】はCMOSカメラを差し込むだけです。準備も特別に複雑なことをするわけではありません。
パソコンにSharpcapを立ち上げるだけです。それだけで眼視観測では見られない奇怪な姿の天体をリアルに見ることができます。

標準仕様の望遠鏡で楽しみましょう
天体写真で見るオリオン星雲やアンドロメダ銀河の形が見えます。DSO(銀河、星雲、星団)は眼視観測ではぜんぜん見えません。【電子観望】すると観測できる天体の対象が驚くほど増えます。
口径6センチあれば系外銀河などは写るだけでよければ1000個くらいはあります。もっとあるかもです。メシエ天体になると多くは光の塊で見えるだけではなく詳細も確認できます。
銀河の渦巻きや星雲の複雑な構造と詳細を見ることができます。
こちらのアルバムでどんな見え方をしているか確認してください。
アウトドア・キャンプ・車中泊体験で楽しむ天体観測!大人の趣味に電子観望←【電子観望】をはじめると天体観測の楽しみ方の幅が広がります。
【電子観望】の天体写真との大きな違い|天体をたくさん観測できます!
セッティングが簡単でたくさんのDSO(銀河、星雲、星団)を観測できるのが電子観望のアドバンテージ!
経緯台での【電子観望】はとにかく簡単です。セッティングにかかる時間が短くて高い技術も必要ではありません。そのためいろいろな天体を次から次へと観測できます。
いろいろな天体をつぎつぎに電子観望する、こちらの記事を参考にしてください。
赤道儀をセッティングするのは簡単なことではありません。もちろん長時間露光もできますが正確なセッティングが必要です。
一晩でいくつもの天体を観測することはできません。お手軽電子観望は経緯台がおすすめです。
お手軽【電子観望】のタイムスケジュール
実際に13センチのニュートン式反射望遠鏡で【電子観望】するとこんな感じの流れになります。望遠鏡は自動導入自動追尾機能付きの経緯台です。【機種はスカイウォッチャーの廃盤azgteP130n】
- 望遠鏡を据え付ける 水平に設置【5分かな】
- 反射望遠鏡なので光軸調整【5分かな】屈折式だとこれは不要です
- 望遠鏡のアライメント(自動導入のための準備です)【3分かな】
- 見たい天体を導入する【1分以内】一発導入できたらの話です
- CMOSカメラを接続する【1分以内】
- PCでSharpCapを立ち上げる【1分以内】
- PC画面の露出とゲインを設定する【1分くらい】
- CMOSカメラのピントを合わせる【5分以内】
- コントロールパネル側のヒストグラムで見栄えを決める【1分くらい】
- 構図を決める【2分くらい】
- ライブスタックをはじめる【ボタンぽちり】
- ライブスタックのヒストグラムを調整して【電子観望】スタート【3分以内】
- 保存してもよし、次の天体に向かってもよし。
春は銀河の季節です。一晩ではとても観測できません。【電子観望】で次からつぎとサーフィンしても時間が足りません。
4番は理想です。うまくいかないと1時間以上格闘することもあります。それもいい思い出ではありませんか(笑)望遠鏡のセッティングは簡単ですが、そのあとの導入と美しく見えるようにする調整は奥が深いです。














口径13センチで多くのDSO(銀河、星雲、星団)が電子観望できます。200倍の高倍率にしても自動追尾で快適な観測。電子観望専用であれば最適!