CLSフィルターの効果について【夏の散光星雲はどう見えるのか?】

へび座M16わし星雲

SVボニーのCLSフィルターは安いのですが効果はどうなのか?購入してからずっと悩んでいます。久しぶりに夏の散光星雲で使ってみました。相変わらず結論のない話です。とりあえずアップした画像で判断してください。

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自宅は地方都市の住宅街にあります。特別ひどい光害ではありませんが室内照明の影響や街灯の影響は避けられません。

地平に近い高度の低い天体ではかなり影響を受けることは確かです。

夏はいて座さそり座付近に素晴らしいDSO(銀河、星雲、星団)が電子観望をお待ちです。

せっかくなのでCLSフィルターの性能確認をかねて電子観望で使用しました。

夏の散光星雲を電子観望して効果を検証する【見え方の違い】

観測したのは梅雨も明けた、まずまずの条件の夜です。

快晴ではありません。若干の雲が流れていました。

透明度もそこそこです。月齢は3.4で月あかりの影響はありませんでした。

2024年8月8日地方都市にある住宅街の2階のベランダで観測。南斗六星は肉眼で見えます。

天体望遠鏡とCMOSカメラ【初心者用です】

ベランダ電子観望に使用した機材です。

スカイウォッチャー製、初心者用反射望遠鏡です。

ニュートン式反射望遠鏡口径130ミリ焦点距離650ミリ(F5)自動導入自動追尾式経緯台
倍率65×・26×単三乾電池8本で駆動(電池は別売り)レッドドットファインダー付属
極限等級12.4等集光力345倍アリガタ接続

PlayerOne製の最安値CMOSカメラです。

品名ceres-c
CMOSセンサーSony IMX224(カラー)
センサーサイズ 1/3型(4.9×3.7mm)
解像度1304×976(127万画素)
ピクセルサイズ 3.75μm(ピクセルサイズが大きいので感度いいですよ)

こんかいはレデューサーをつけました。0.75×ぐらいの画角に広がっています。

いて座M20三裂星雲とへび座M16わし星雲を電子観望ノーマル

この画像はフィルター付けていません。露出時間4秒、ゲイン477、スタック枚数51枚。

ヒストグラムをいじって赤はよく出てくれましたが青色は期待ほどではありません。

これまでも三裂星雲はなんどもトライしたことがあります。

いつもより鮮やかに発色したという印象です。

外光の影響は特別感じません。ふだんからこんな感じです。

CLSフィルターを付けて電子観望した三裂星雲M20

CLSフィルター付き、露出時間4秒、ゲイン477、スタック枚数65枚。

CLSフィルターを付けると明らかに暗くなります。カラーバランスも多少変わります。

ゲインと露出時間が同じだと明るさがかなり落ちますね。

多少スタック枚数を増やしても暗い部分は浮き上がりません。

ノイズ的なものは多少薄くなっているような気がしますが見栄えが落ちたように思います。

ヒストグラムの調整をしても、これ以上は明るく出来ませんでした。

眠い画像ですね。

へび座のM16わし星雲で検証【三裂星雲より暗い星雲です】

CLSフィルター付き、露出時間4秒、ゲイン477、スタック枚数50枚。

フィルターのせいなのでしょう、どうしても薄い(暗い)感じがします。

フィルターなしの感覚があると、この発色では納得できません。メリハリが足りないのです。

最初の三裂星雲が鮮やかに出ている感覚があって、人工光のカットよりも星雲の色落ちが気になりました。

中央にある創造の柱がはっきり見えないですね。

露出時間を倍にしてみる【ゲインは同じ】

CLSフィルター付き、露出時間8秒、ゲイン477、スタック枚数24枚。

もう少し色を出したかったので、露出時間を倍の8秒にしました。

驚くほど発色しました。創造の柱もいい感じです。

スタック枚数が少ないのは長時間露出で追尾する経緯台の信頼性が低いからです。

このあたり露出時間とスタック枚数は経緯台の性能をみながら考える必要があります。

赤道儀と違って振動にも弱く精度面で不安がある経緯台では、露出時間を伸ばしていくのは慎重になりますね。

その日の風の状況なども見る必要がありますし、簡単に露出時間を伸ばす気になりません。

それにしても4秒とは比べ物にならない発色に満足しました。

実際に8秒露出はいつでもできるわけではありません。調子が悪いとかなり星が流れることがあります。

露出時間は4秒でゲインを上げて電子観望した。

CLSフィルター付き、露出時間4秒、ゲイン507、スタック枚数50枚。

露出時間を伸ばすのではなくゲインを上げる方向で挑戦しました。

477→507なので極端に上げてみたわけではありませんが、思ったよりも発色は良かったです。

8秒露出にくらべると落ちますが、それなり発色しました。

ゲインを上げ過ぎるとノイズだらけになるので兼ね合いを見る必要があります。

もっとゲインをあげるとさらに発色が良くなるのか、検証する必要がありますね。

この日はこのあと雲が出てきたので観望を終了しました。

本日の結論というか感想

たぶんCLSフィルターを付けると室内光や街灯の光をカットしてくれるのでしょう。

間違いなく全画面で暗くなります。薄いひかりは見つけずらくなっています。

ただ極端な色バランスの崩れはありません。

それはカットしているといっても通過している光もそれなりにあるからでしょう。

光害カットフィルターの性能としてはそれなりですね。

ただし使いやすいです!

なれるとフィルターなしとそれほど勝手は変わらないように感じました。

CLSフィルターの使い方【見え方を維持するために】

CLSフィルターを装着すると暗くなり、見え方が悪くなるのは間違いありません。

対策としては。

  • 露出時間を伸ばして弱い光を取り込むようにする
  • 露出時間は変えずにゲインを上げることで弱い光を取り込む
  • 最終的には露出時間をギリギリまで伸ばしてゲインを最大にする

この方法でフィルターを装着したことで暗くなった画質を取り戻せるようです。

露出時間を長くするのは心配なので、もう少しゲインをあげて検証したいと思います。

いちばんいいのは暗いところに行ってノーマルで電子観望することです。

電子観望はまったく同じ条件を設定するのは非常に困難です。時間や天体の位置によって見え方が変わります。正確な比較検証ではありません。ご容赦ください。

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