【2025】電子観望に使える初心者用望遠鏡と架台のイチオシ

電子観望に使う望遠鏡

初心者が電子観望に使う望遠鏡はセット販売が基本です。必要な機材を各種揃えていくのは難易度が高くお勧めするのは難しいと考えていました。そのなかで比較的わかりやすい組み合わせがあります。性能的にはセット品以上であり紹介する価値があると判断しました。ご検討の材料にしてください。【こちらの記事はニュートン式反射望遠鏡についてです

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天体望遠鏡の販売スタイル

天体望遠鏡の売り方を調べてみると上級者向けは鏡筒と架台を別途に販売しています。

この場合、必要なものだけ購入できるのが強みですが購入商品だけですぐに観測できるかは自己責任になります。

知識があれば不必要なものを買わなくて済みますね

初心者向けについてはセット販売で購入するとそのまま観測に入れる仕様になっています。必要パーツがあらかじめ揃った状態で販売されています。

こんかい紹介するのはセット販売ではありませんが鏡筒と架台を購入すればすぐに天体観測ができます。そして電子観望には非常におススメできる鏡筒と架台です。

天体望遠鏡はネットで注文する場合はある程度の知識がないと購入しづらい商品かもしれません。初心者セットに関しては購入後すぐに月のクレーターは見えるようになっています。それ以外の天体に関しては別途オプションが必要になるケースもあります。

鏡筒【ニュートン式反射望遠鏡】架台【自動導入自動追尾経緯台】

鏡筒はニュートン反射130PDS (BKP130)、架台は経緯台 VIRTUOSO GTi (ヴィルトオーゾマウント)になります。

鏡筒については基本的に上級者向けの仕様ではありますがVIRTUOSO GTi 架台とセット購入した金額が初心者用の価格と大きく変わりません。

コスパを考えるとむしろ良くなるように感じます。比較する価値はあると思います。

初心者セットの品数が少なく選択の幅がありません。売り切れが恒常化しているのも問題です

鏡筒130PDS (BKP130)の説明

ニュートン式反射望遠鏡口径130ミリ焦点距離650ミリ(F5)2インチ接眼部にアダプターでアメリカンサイズ
倍率23×【2インチ28ミリアイピース付属】セット重量3.66キロ放物面鏡付属6×30光学ファインダー
極限等級12.4等集光力345倍鏡筒バンド+アリガタ接続

上級者向けの反射望遠鏡です。特に天体写真を意識した仕様になっています。金属製のパーツを使用して剛性を高めています。初心者用の望遠鏡の造りではありません。

主鏡は放物面鏡

もちろん放物面鏡です。F5と短焦点でDSO(銀河、星雲、星団)の天体写真、電子観望に威力を発揮します。

精度の高い主鏡なので高倍率もこなせます。惑星を上限倍率の260倍以上で観測することも可能です。

斜鏡を支えるスパイダー(金具)は薄い金属製で写真や見え味に配慮したものになっています。調整ネジも付属しています。

主鏡調整ネジの存在【調整が簡単・正確にできます】

主鏡の裏側に初心者用では省かれていることのある調整ネジが3セットあります。精密な調整をすることで望遠鏡の性能を極限まで引き出すことができます。

主鏡、斜鏡の光軸調整を完璧にやれば高い光学性能を引き出すことができます

アリガタ・アリミゾによる汎用性を持たせた構造

架台との接続はアリガタ・アリミゾ式を採用しています。現在の標準的な同じ型式の架台と互換性を持たせています。

鏡筒バンドにアリミゾが接続されています。鏡筒を回転させることが可能です。アリミゾレールも長くスライド範囲が大きくバランスがとりやすいでしょう。

画像のミドリに塗装されている部分がアリガタです。

もっとも標準的な接続方式で他社や機種をこえて多くの架台に搭載することができます。

2インチ兼用接眼部はダブルフォーカサー

ダブルフォーカサーの接眼部は金属製で天体写真での精密なピント合わせに有効です。頑丈な造りで一眼レフカメラの重量に耐えられる構造です。

アダプターを使うことで2インチとアメリカンサイズのどちらにも対応できるようになっています。

ダブルフォーカサーは接眼ハンドルが粗動と微動の2段式になっています。微妙なタッチでピントを合わせることができます。これだけで価格差を超える価値があります。

標準付属の2インチ接眼レンズ28ミリ【アイピース】

接眼レンズ【アイピース】は28ミリですがこちらは2インチの巨大なサイズのものが付属しています。DSO(銀河、星雲、星団)を眼視観測すると感動できます。

高倍率でも素晴らしい性能をもつ望遠鏡なのでぜひアメリカンサイズで短焦点のアイピースとバローレンズを用意されてはどうでしょう。プローセル5ミリと2×バローがおススメです。

追加で購入をおススメするアイピース

プローセル10ミリ【65倍になります】

プローセル5ミリ【130倍になります】

バローレンズ2×かバローレンズ3×【電子観望で惑星を見るなら3×をおススメです】

光学ファインダーが付属【30×6倍】

6倍は使いやすい倍率です。アライメントに使うぐらいですが都市部では2等星も見えないので光学ファインダーは頼もしい付属品です。

必要な機能がすべて入っているだけに戸惑うかも・・

調整できる箇所が多いのが初心者には不安なところでしょうが性能を引き出すために必要な機能です。

初心者用では精密な追い込みが難しい調整も調整機能が付属していることで妥協せずに追い込めます。

全体の品質がやはり初心者用の鏡筒とは一線を画しています。付属品の2インチアイピースと光学ファインダーもお得だと思います。

自動導入自動追尾経緯台 VIRTUOSO GTi ウィルトオーソマウント

自動導入自動追尾機能付き操作アプリSynScanを使います【Wi-Fi内臓】
搭載重量6キロ
電源:DC12V(単三形乾電池x8本)駆動:DCサーボモーター
駆動スピード:恒星時~800倍速追尾モード:恒星時追尾,月追尾
本体重量4.7キロ

スマホを使いWi-Fiで望遠鏡を操作します。あらかじめスマホには操作アプリSynScanをインストールしておきます。【アプリは無料です】

架台はドブソニアンタイプの形状で三脚はありません!

地面に直接据え置きになります。三脚が無いので振動には強い設計です。水平を出すために薄い板状の木片を何枚か持っておくほうがよいでしょう。脚の下に差し込んでバランスを出します。

ただし高さがないため接眼部の位置がかなり低くなります。眼視観測はかさ上げしないと姿勢が持ちません。頑丈なテーブルか台が必要です。

三脚に取り付けることも可能な構造ですがバランスの問題からお勧めできません。

搭載重量6キロ【Azgtiは5キロ】

自動導入自動追尾機能付き経緯台のベンチマークともいうべきAzgti経緯台よりも1キロ重い鏡筒が搭載可能です。

さらにコンパクトなので抱えて運びやすい架台です。機動性でも三脚のあるAzgtiを凌いでいます。

デュアルエンコーダー搭載

アライメント終了後に手動で動かしてもデュアルエンコーダによって原点は記憶されています。再度アライメントをする必要はありません。

フリーストップの機能を生かして手動導入することができます。

電動でも手動でも使えるのは何気に便利な機能です。

経緯台としての基本機能はAzgtiと同じです

操作機能はSynScanに依存しているのでAzgtiと同じです。天体導入時の駆動音はむしろ静かになっています。ご近所に気兼ねしなくて大丈夫ですよ。

導入、追尾性能に関しても同等であると思われます。

VIRTUOSO GTi+130PDS (BKP130)の組み合わせ【眼視観測】

VIRTUOSO GTiの搭載能力は6キロです。130PDS (BKP130)は3.66キロでありCMOSカメラを取り付けても余裕はあります。2インチアイピースも大丈夫です。

空が暗い山中で2インチアイピースでするDSO(ぎんが、星雲、星団)観測が楽しいよ

眼視観測での問題点では接眼部の位置が低すぎて観測姿勢が苦しくなります。かさ上げによる対策は不可欠です。それでもまだ低いので椅子は必要です。

かさ上げに使うテーブルまたは台は頑丈でないと振動を拾います。高倍率を使うと僅かの振動で像は激しく揺れます。

しっかりした台で高さを確保できると眼視観測も問題ありません。椅子に座って観測できれば落ち着い天体観測に集中できます。

VIRTUOSO GTi+130PDS (BKP130)の組み合わせ【電子観望】

電子観望の場合は望遠鏡を直接覗くのはアライメントの時ぐらいです。あまり接眼部の位置について神経質になる必要はありません。

むしろ地面に直接置けることで振動に関しては有利です。姿勢が低い分、風の影響も受けにくくなるでしょう。電子観望に適した経緯台です。

口径130ミリの鏡筒をしっかり支えて天体を導入してくれます。電子観望でDSO(銀河、星雲、星団)を狙うには少しでも大きな口径が必要です。最適な組み合わせです。

同等セット品との価格比較【価格差と性能のバランス】

同等クラスと思われる初心者用の望遠鏡セットと比較します。

P130 VIRTUOSO GTi(ヴィルトオーソ)55242円(税込み)鏡筒のみ初心者用のP130になっています。架台は同じものです
BKP130 + AZ-Go264900円(税込み)性能、機能ともにほぼ同等品ですが形状は別物です。鏡筒は初心者以上ですが130PDSよりはコストダウンしています。
VIRTUOSO GTi+130PDS (BKP130) 71210円(税込み)

さすがにほぼ同等品であるP130 VIRTUOSO GTi(ヴィルトオーソ)との価格差は16000円程ありますが内容をみると検討する価値はあります。

  • 光学ファインダー30×6倍が付属している
  • 付属アイピースが2インチ28ミリ【迫力の視界です】
  • ダブルフォーカサーは精密なピント合わせを短時間にできます
  • あらゆるパーツが金属製で剛性が高く一生ものといってよい仕上がり
  • 必要な調整機能が完備している
  • コンパクトで運びやすい架台の大きさ
  • 搭載重量が6キロと余裕がある

BKP130 + AZ-Go2は鏡筒の機能が進化しており上級仕様に近づけてありますが基本パーツの材質が樹脂製です。130PDS と比較すると全体の品質では及びません。

購入後の満足度は高いでしょう。将来の発展性もあります。高品質な天体写真に進むのであれば間違いなく選択するべきでしょう。

同等セット品と比較したデメリット

  • 16000円もの金額差
  • アイピースが低倍率のみで中倍率と高倍率は別途購入する必要がある
  • 接眼位置が低いため眼視観測では対策が必要

当ブログの見解【電子観望ならおススメのセット】

電子観望に使用するのであればVIRTUOSO GTi+130PDS (BKP130)セットはおススメします。この金額差であればあえて初心者セットを購入する必要はないと思います。

電子観望に嵌っても一生使い続けられる望遠鏡セットです。不満を感じるとしたら架台を赤道儀にしたいとか、口径をもう少し大きなものにしたいという部分でしょう。

望遠鏡や架台の機能については不満は少ないと思います。

最初から鏡筒と架台を別々に購入するのは抵抗があるかもしれませんが、このセットはすぐに23倍で天体観測することはできます。必要な倍率はアイピースを追い追い購入していけばどうでしょう。

最大の要注意ポイント!

架台は別にしてこの望遠鏡はニュートン式反射望遠鏡です。基本的に扱いにくい望遠鏡なのは理解してください。

光軸調整や大気順応、メンテナンスなどそこそこ手のかかる光学形式です。

それでも口径130ミリの高性能で短焦点の望遠鏡を安価に購入できる素晴らしいメリットがあります。

光軸調整は必ず必要な作業です。詳しい内容はこちらの記事を参照してください