自動導入経緯台Azgteのアライメントについての具体的な記事です。ほかの自動導入経緯台でも参考になります。
天体の導入精度をあげるには正確なアライメントが必要です。
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超重要!すべての自動導入経緯台の望遠鏡につながる内容です
Azgte経緯台とAzgti経緯台は基本的に同じです。設置、アライメントも同じ要領です。SkyWatcher製の経緯台であれば参考になる内容です。
アライメントはフリーソフトのSynScanPROかSynScanを使用します。iOSでもandroidでも使えるソフトです。ご自分のスマホまたはタブレットにストアからダウンロードしてください。
要チェック! 必ず確認しましょう
- 水平に設置は大丈夫ですか?
- 鏡筒のバランスはとれてますか?
- クランプの締め付けはしましたか?ガタついていませんか?
- 電池の容量はありますか?
- 2個のアライメント星のあいだにある天体のほうが導入精度があがります
気持ち良い天体観測は望遠鏡のアライメントから
アライメントしたにもかかわらず希望の天体が入ってこないとイライラしますね。特にDSO(銀河、星雲、星団)を狙っているときは対象が暗くてわかりずらいので自動導入が頼りです。
そんなときに導入がうまくいかないとストレスです。うまくいかないときは最初からやり直しましょう。導入に苦労している方はこの記事を参考にして電子観望や天体観測を楽しんでください。
超重要!水平出し【望遠鏡設置の基本】
ほんらい経緯台の設置は手軽で簡単であるべきでしょうが、自動導入機である限り多少の正確さが必要になってきます。
経緯台の動きは水平と上下の組み合わせです。工作精度が正確に出来ているとして、まず設置が完了したら水平回転が正確にできている必要があります。
水平が出ていないと上下の動きが正確でも総合精度で狂いがでます。まずは望遠鏡を正確に水平設置するようにしましょう。
この方法はどうしても導入がうまくできないときにやるだけで、問題なく導入ができているときは必要ありません。
Azgte経緯台はその日によって多少精度が違うような印象があります。あまり神経質に考えても仕方ないところはあります。
三脚の設置【三脚と鏡筒をわけて運ぶ方が安全です】
まず基本中の基本です。乾電池は容量大丈夫ですね?容量不足は作動不安定の原因になります。
まずは鏡筒のバランスをとらないと導入時も追尾時も精度不良になります。
すべての角度でバランスをとるのは不可能なので60度から80度くらいの、もっとも観測に使う角度でバランスを合わせてください。
バランスはCMOSカメラをつけた状態でやるほうが正確です。
●手を放してもこの姿勢を維持できてますか。
Azgte経緯台には水平を確認するための水準器が2か所あります。
三脚をつける脚のところとボディ部のあたまにあります。
この付属の水準器はあまり精度のよいものではありません。
2個の水準器をそれぞれ合わせようとしても合いません。
●画像の角度でも手放しで鏡筒が維持でるようにバランスをとってください。
個体差の問題かもしれませんが私は2個とも水準器のど真ん中にそろって気泡が収まることがありません。
どちらかが取り付けそのものがずれているように感じています。私の場合、基準にする水準器をボディ部のあたまにある水準器のほうに決めました。こちらのほうが正確なような気がするからです。
鏡筒のバランスをとらないと精度不良になります。60度から80度くらいの観測に使う角度でバランスをとるようにしてください。
三脚の長さで水平出し【ふだんはここまではやりません】
導入精度にこだわるときの方法です。ここまでしなくてもだいたい導入できると思います。
地面のデコボコや傾斜を調整して水平を出すために三脚の長さを調整します。
鏡筒にアルミ水平器をまっすぐに載せてください。
アルミ水平器が光軸と平行になるようにしてください。
鏡筒は光軸が出ていると仮定するしかありません。ここが狂うと意味がないですから。
ある程度水平がでたらチェックしましょう。画像のように鏡筒に水平器を置いてください。水平器の気泡管で水平出しが完了したら架台を水平に回転します。
これは手動ではなくアプリ操作でしましょう。そもそもAzgteは手動で水平方向に動かすことができません。三脚部のクランプねじを緩めて動かすとガタガタしながら動きます。
水平回転した時に気泡が動いてセンターから外れるようだと水平はでていません。常に気泡が真ん中にいるように脚の長さを調整してください。
脚の長さで合わせずらい時は板状の敷物を用意して脚先に敷くことで合わせます。厚みが少しずつ違うものを何枚も用意したほうがいいです。
ホームセンターにはゴム製で何種類も厚みが違うものがあります。これで鏡筒が常に水平に動くように経緯台の設置をします。丸形水準器で合わせるよりは正確な水平出しができるはずです。
アルミ水平器を用意してください←経緯台の水準器が信用できないときは…。
厚みの違うスペーサーも揃えておくと便利です。
必殺のアライメント【SynScanPROアプリを使う】
水平出しが正確にできたらアライメントに入ります。最初から電子観望でアライメントするのは難易度が高いので最初は眼視でいきましょう。
接眼レンズは最低倍率でお願いします。最低倍率でなくても視野がいちばん大きくなるアイピースを使ってください。
操作アプリSynScanproのブライトスターアライメントを使いましょう。アライメントは選択する星が重要です。
鏡筒の移動距離を小さくした方が正確に導入できます
当日に見たい天体はどれでしょう?ブライトスターアライメントは2個の星の位置を記憶させることで、望遠鏡に自分がいまどこにいるのかを記憶させています。
できれば観測したい天体をアライメントのふたつの星のあいだに挟み込みたいのです。アライメントしたふたつの星のあいだに目標天体があると導入精度が高くなります。逆にアライメント星から離れると導入精度が落ちる傾向にあります。
1個目は1等星、2個目の星は2等星になることもあります
ブライトスターアライメントの1個めの選択できる星は、当日見える1等星か惑星になっています。明るい星はみつけやすくてありがたいのですが選べる星が少ないです。
しかし、1個目はアプリの指示通りに選ぶしかありません。問題は2個目に選ぶ星です。みつけやすいからといって1等星から選んでいると見たい天体を挟むことができません。
もちろん、ちょうど見たい天体の近くに1等星や惑星があるときはそのまま選択してください。しかし、それができないときは2等星から選びます。
2等星の星名はアルファベット表記で、あまりなじみがないと思いますが正確な導入のために頑張りましょう。星名については星座アプリで調べましょう。無料でもたくさんの星座アプリがあります。アプリで確認しながら2等星を選んでください。
アライメントの1個目は1等星、2個目は2等星。目標天体をアライメント星で挟み込みましょう。
2等星のむつかしさ【レッドドットポインターの限界】
2等星をアライメントに使うむつかしさは、光度が暗く同じような光度の星がけっこうあることがあります。まちがって選択した以外の星を記憶させないようにしてください。
まずレッドドットポインターは薄いフィルムを通して星に狙いをつけているので、肉眼で見るよりも星が暗くなります。1等星は問題ないのですが2等星になるとかなり見にくくなります。
私の場合は山間部の暗い空ではなんとかなりますが、自宅の庭では空が明るいのでまず無理です。レッドドットポインターでうまく見えないかたは、光学ファインダーの購入をおすすめします。
ファインダーで見ると肉眼で見えない星がたくさん見えます。2等星をターゲットに使うときは大変便利です。自動導入のアライメントに使うだけなのでファインダーは小さいのでいいと思います。
私は5センチ9倍を使用していますが、これで天体を導入するわけではないので3センチのほうがよかったと思ってます。3センチのほうが軽いし値段も安いです。正立像のファインダーにしましょう。
ニュートン式反射望遠鏡のファインダーは正立像が無難です。倒立像だと効き目が左のかたは顔が鏡筒に当たります。
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アライメントスタート【SynScanPROアプリを使う】
アライメント星が2個決まったらスタートです。最初の星は自分で動かして導入します。かならずアプリの操作ボタンで動かすようにしてください。
アプリ画面でスピードを9にするといちばん早く動きます。1個めの近くに来たらスピードを落としてアイピースのど真ん中に追い込んでください。
アプリが反応しないときは点滅に注意!
アプリをみて矢印ボタンが赤く点滅しているときはタップしても動きません。点滅しているところをタップすると点滅が終わります。この点滅はアプリを使っていると頻繁に起こります。
これはギアのバックラッシュをとるための操作のようです。そのつど点滅をタップするようにしてください。
アプリの矢印キーが点滅しているときはタップすると解除できます。
2番目の星に向かう【目標にする天体を挟むのがベスト】
1個目が導入完了すると自動的に2個目のアライメント星に向かいます。停止したところが2番目の星がある位置のはずですがどうでしょう?
真ん中に来ていることはまずないと思います。私も経験ありません。このときにどれくらい外れているかで、その日の導入精度が占えるように感じます。
ファインダーの視野内には入っていると思います。もし大きく外れているようだと問題です。ここで2番目の星をさがしだしてアライメントを完了するよりもやり直した方がいいでしょう。
なにか問題があるから、それだけずれていると思います。水平の再チェックとかクランプの締め忘れがないか確認しましょう。
口径13センチ焦点距離650ミリの反射望遠鏡で26倍を使うとほとんど視野内に2個目の星が入っています。入っていないときは設置を再調整する必要があると思います。
完了したら
2番目の星をど真ん中にしてタップすると完了ですね。これでいよいよ天体観測ですが、そのまえに精度チェックしましょう。
アプリのメニューにある名前のついた天体で1番目の星をもういちど入れてください。ちゃんと導入できますか?これができてないとヤバいです。このあと地獄が待ってます。
1番目の導入星さえうまくいかないのであれば、もういちど最初からやり直しましょう。少なくともこれはほぼセンターに入っていないとおかしいです。【センターでなくても視野内には入ってほしいです】
アライメント完了後は1番目の星を、もういちど導入して精度チェックしましょう。
導入できないときはアライメントに戻りましょう
経緯台の自動導入は機械的に位置を割り出しているだけの単純な構造ですが、ある程度の精度はでるはずです。どうしても導入がうまくいかないときはアライメント方法を変えてみましょう。
2スターアライメントで再挑戦!
ブライトスターアライメントが不調であれば2スターアライメントで再挑戦です。このアライメントは鏡筒を北に向ける必要があります。
コンパスかコンパスアプリが必要なので用意してください。鏡筒を北に向けて水平を出しましょう。
そのあとの手順はブライトスターアライメントとほぼ同じです。どちらのアライメント方法でも導入できない、精度が極端にくるっている場合はほかに問題があるとしか考えられません。
購入もとに相談するしかありません。
要チェック! 必ず確認しましょう
- 水平に設置は大丈夫ですか?
- 鏡筒のバランスはとれてますか?
- クランプの締め付けはしましたか?ガタついていませんか?
- 電池の容量はありますか?
- 2個のアライメント星のあいだにある天体のほうが導入精度があがります
自動導入でDSOサーフィン
目標の天体がアライメントに使った星のあいだにあると、導入精度は良くなる傾向にあります。移動距離が大きいと、どうしても誤差がでてきますね。
春の銀河団のようにメシエやNGCの銀河がところ狭しと固まっているところは、近いところ近いところと順番に攻めるようにしています。
いつもそんなうまいところはありませんが、できるだけ大きく動かさないようにしたほうが精度は維持できます。いちど外れだしたら精度を元に戻すのは難しいようです。
目標とする天体の近くに明るい星があれば、その星を導入してからもういちど目標に向かえば多少はうまくいくかもしれないですが効果は少ないように思います。やはりアライメントをやり直すのがいちばん確実だと思います。
私は口径13センチ焦点距離650ミリの反射望遠鏡にceres-cの小さなセンサーで使っていますが、設定をしっかりやっておけばかなりの導入精度を見せてくれます。
しかし暗いDSO(銀河、星雲、星団)の場合はAzgteが導入しても画面上で探す方に苦労します。意外と導入できてるのに暗くてわからないケースもあります。
電子観望のときは導入した画面をとりあえず信用して露出時間を2秒くらいにして画面をよく探してみることも大事だと思います。
DSO(銀河、星雲、星団)は、ほんとうに入ってないのか露出を伸ばして再確認しましょう。
SynScanアプリの安定性の問題
たまに暴走します。意味不明の動きをすることがあります。対応方法はやり直すのが一番手っ取り早いと思います。
面倒でしょうがアライメントを再度やり直しましょう。完璧とはいえないソフトですがこれがないと自動導入自動追尾はできません。
だいたいは機嫌よく動いてくれます。そのときは眼視では捉えることができないDSO(銀河、星雲、星団)を確実に導入してくれます。広い心で付き合ってください。
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【国内正規品】Sky-Watcher スカイウォッチャー 天体望遠鏡 自動導入 スマホで操作 日本語表記 P130 VIRTUOSO Gti 4㎜アイピースセット SET064