アウトドアやキャンプ、車中泊などの趣味で天体観測の楽しい体験ができてコスパに納得できる天体望遠鏡の紹介です。テントや寝袋などたくさんの荷物に加えても嵩にならないできるだけコンパクトで扱いやすい望遠鏡を選びました。
※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。
アウトドア、車中泊、キャンプの体験におすすめの望遠鏡として、初めてでも使いやすくて性能も備わった3機種を提案します。
スコープテック | 屈折式望遠鏡 | ラプトル50 | 13900円 |
スコープテック | 屈折式望遠鏡 | ラプトル60 | 23900円 |
ACUTER OPTICS | マクストフカセグレイン式望遠鏡 | VOYGER MAK70 FAST | 35640円 |
3機種とも土星の環くらいは軽く見えますよ!
おとなの初心者が使って楽しめる望遠鏡とは【コスパ重視】
望遠鏡にはいろんな種類があります。しかも粗悪とでも表現したほうがよい製品が氾濫している現実があります。
ネットでも店頭でもこんな望遠鏡が何の役に立つのか不思議になるようなものが目につきます。その中には名前の通った日本の有力ブランドの望遠鏡も入っているだけに始末が悪い。

現物をさわって調べるのがいちばんなのですが・・
そこでコスパに見合った性能が担保されている望遠鏡がどんなものなのか、具体的にイメージできるような記事にしたいと思います。
まずどんな用途で使おうと考えているのか、はっきりさせたほうが考えがまとまります。いま見たい天体があってすぐに簡単に見たいというかたとか、または天文に興味があって趣味として考えているかたとか。

寝袋に入って星空みるだけでも楽しいです!
使う人は成人で、ある程度体力があり判断力も備わった大人が使う望遠鏡とします。子供は対象外です。そしてアウトドアやキャンプの道具として邪魔にならないコンパクトな物。
Ⓐ月と土星の環が見たい、たまにアウトドアとしてキャンプや車中泊に持っていきたい。
Ⓑ高倍率で月や土星を観察したい。趣味として長く使いたい。
このふたつで考えると選ぶべき望遠鏡が少し見えてきます
おとなが使うので予算は3万円くらいで考えました。
Ⓐアウトドア、車中泊、キャンプで軽く使う望遠鏡
Ⓐ の場合月の表面にあるデコボコのクレーターや土星はリング、輪っかが見たいという希望をかなえればいいわけです。
この最低条件を満たす望遠鏡は難しくありません。しかしアマゾン、楽天、Yahooなどのサイトで望遠鏡でヒットする1万円以内で大量に出てくるものはリスクがあります。
案内文を読んで土星の環が見えると表記していないところを見ると、きっと見えないのでしょう。
本来、口径が60ミリあれば土星の環は余裕で見えるはずですがそれが見えないのは、かなりむりな光学設計をしているからです。具体的にはF値を小さくして全長を短くしているので、見え方に無理がきています。
月のクレーターは見えても土星の環になるとぼやけて見えなくなるからだと思います。

F値とは焦点距離÷口径の数値です

月のクレーターは意外と見えるものです。ガリレオも見たくらいですからね
こういった望遠鏡は避けたほうが無難です。ホームセンターや家電量販店で展示している望遠鏡はけっこうヤバいです。
最初の望遠鏡はアクロマート屈折式がおススメ
基本的な考え方としては扱いやすい屈折式望遠鏡を選んでください。以下、項目別に抑えるべきポイントをあげます。
- レンズはアクロマート式です。これは必ずデータを確認してください。単眼ガラスは絶対ダメです。
- レンズの大きさを口径といいます。50ミリは最低必要です。
- 倍率は高すぎないものにしてください。口径をミリにしてその2倍くらいが最大倍率です。60ミリで200倍とか300倍は実用性ありません。せいぜい120倍程度までです。
- アイピースが2個か3個ついて倍率を変えることができる望遠鏡にしてください。バローレンズは期待しないほうがいいです。
- 最低倍率は低ければ低いほど扱いやすいです。15倍とかあれば十分です。
- 天頂ミラーか天頂プリズムがついているものにしてください。必ず必要です。
- 架台と三脚がしっかりしているものが望ましいです。三脚が長く伸ばせると便利そうに見えますがグラグラで使えないです。光学性能よりもこちらにこだわったほうがいいですよ。カメラ三脚みたなのが多いですが激しく揺れます。
- 経緯台にしましょう。赤道儀は検討外です。

赤道儀は設置がシビアで操作も想像以上の難しさです!
使用するときは三脚をいちばん短い状態で使用したほうが安定しています。そのぶん接眼部が低くなって見づらいので、しっかりしたテーブルか台に乗せて見たほうが落ち着いて見ることができます。
土星の環になると100倍近くあったほうが面白いのですが架台と三脚が弱いと、もの凄く揺れます。観測どころではなくなります。
注意!ネットに出ている売れ筋ランキングの望遠鏡には要注意が混ざっています!
アウトドアやキャンプに使う道具には天体観測に役立つものがたくさんあります。例えば椅子は観測姿勢の確保に非常に有効です。照明関係も暗闇の中で作業をするときには必須のグッズになります。
おすすめ1番 スコープテック ラプトル60 23900円税込み
機能 | コメント |
アクロマート式 | レンズは標準的な色収差対策 |
口径60ミリ | 切れのいい見え味【マニアに高評価です】 |
焦点距離700ミリ(F11.7) | 見え味重視の大きめのF値 |
フリーストップ経緯台 | 自在に動いて止まりクランプ不要 |
架台はトップマウント | 振動に強い構造 |
倍率35×・88× | 月のクレーター・土星の環も見えます |
標準付属接眼レンズの径は24.5ミリ | アメリカンサイズも対応可能 |
のぞき穴ファインダー | 調整不要の優れもの |
伸縮式三脚 | 調整幅75~125センチ |
天頂ミラー付き(差し込み24.5ミリ) | 付属の接眼レンズ用です |
重量2.5キロ | 軽くてコンパクト |

おすすめはスコープテックのラプトル60です。いかにも望遠鏡らしいスタイルでカッコいいではないですか。光学性能と架台のバランスもよく、月と土星の環に木星の縞模様と金星の満ち欠けも大丈夫です。
天体を導入したり導入後の追尾でもグラつくことのない架台です。
フリーストップは望遠鏡を天体に向けたときにピタリと鏡筒が停止します。クランプしなくても止まってくれます。
フリーストップは天体の導入に大変便利な機能です。この価格帯以下の望遠鏡の架台とはレベルが違います。実績も高いのでアウトドア、キャンプ、車中泊のお供に最適です。
ラプトル50よりも値段はあがりますが口径が大きいのでよく見えます。体験する価値のある望遠鏡です。

望遠鏡は口径が大きくなると性能があがります
ラプトル50は大人が使うには少し背が低いのですが手軽に使える点ではラプトル60を上回ります。小学生向けではありますが大ヒット商品です。
いずれにしても微動装置はついていないので、倍率は100倍以下でないと日周運動を追いかけるのが辛くなります。
土星の環は間違いなく見えます!米粒程度の大きさですがしっかり見えます。この2機種の違いは口径の大きさです。どちらもよく見える望遠鏡です。
スコープテック ラプトル50 13900円税込み
機能 | コメント |
アクロマート式 | レンズは標準的な色収差対策 |
口径50ミリ | 切れのいい見え味【マニアに高評価です】 |
焦点距離600ミリ(F12) | 見え味重視の大きめのF値 |
フリーストップ経緯台 | 自在に動いて止まるクランプ不要 |
架台はトップマウント | 振動に強い構造 |
倍率30×・70× | 月のクレーター・土星の環も見えます |
標準付属接眼レンズの径は24.5ミリ | 24.5ミリ専用です |
のぞき穴ファインダー | 調整不要の優れもの |
固定長さの三脚 | 長さ89センチ |
天頂ミラー付き(差し込み24.5ミリ) | 付属の接眼レンズ用です |
重量1.5キロ | 小学生低学年でも大丈夫 |

軽くてコンパクトで気軽に天体観測にかかれます。
自然の中で自由に望遠鏡を振り回して天体観測するのに最適です。
架台がしっかりしているところが素晴らしい。
空の暗い山や森の中で銀河や星雲、星団を自分で探すのも楽しいかもしれません。
小さい望遠鏡ではありますがアウトドア、キャンプ、車中泊のお供には丁度いいかもしれません。
ラプトル50と60の違い
ラプトル50は小学生でも使える望遠鏡をコンセプトにしています。ひとまわり大きくしたのがラプトル60です。
どちらの望遠鏡もコンパクトでシンプルな操作性です。完成度は高く車から出したらすぐ観測できて保管も容易です。
- レンズの口径【直径】が違います。ラプトル50は50ミリでラプトル60は60ミリです。
- 三脚の伸縮が出来ないのがラプトル50。伸縮可能がラプトル60です。
- ラプトル60は接眼レンズをアメリカンサイズに変更することができます。
ラプトルに付属している接眼レンズは24.5ミリです。ラプトル50はこのサイズの接眼レンズしか使えません。ラプトル60のほうは現在の標準規格である31.7ミリを使用することができます。将来、接眼レンズなどのオプションを買い足すときにはラプトル60のほうが選択の幅が広がります。
ACUTER OPTICS VOYGER MAK70 FAST (ボイジャーマック70ファスト)35,640円税込み

次のおすすめ望遠鏡はVOYGER MAK70 FAST です。
マクストフカセグレイン式という一般的ではない光学仕様ですが性能は非常に良いと評判です。
土星の環も大丈夫です。オモチャみたいな外観で抵抗があるかもしれませんが、架台も堅牢で観測しやすい望遠鏡です。
接眼レンズを買い足して150倍くらいにしても使えます。
機能 | コメント |
マクストフカセグレイン式 | 反射式で色収差なし |
口径70ミリ | 切れのいい見え味【マニアに高評価です】 |
焦点距離1080ミリ(F15.4) | 見え味重視の大きめのF値 |
微動装置付き経緯台 | 自在に動いて止まるフリーストップ |
架台は全周微動・伸縮三脚 | 使いやすい三脚と架台 |
倍率54×・108× | 高倍率で月面と惑星観測 |
標準付属接眼レンズの径は31.7ミリ | 現在の標準規格 |
光学ファインダー | 6倍で導入をサポート |
天頂ミラー付き(差し込み31.7ミリ) | スマホアダプターも付属 |
重量1.9キロ | 小学生でも大丈夫 |
コンパクトでオモチャのようですが、付属品に正立天頂ミラーとスマホアダプターがついてます。月のクレーター撮れます。土星の環もうまくいけば撮れるはずです。
なによりもアイピースが現在標準のアメリカン規格なので将来アイピースの買い替えができます。ここは上級向けの望遠鏡と同じ規格になっています。
問題は反射鏡が数年~10年くらいで曇りが出て性能ダウンの可能性があります。耐久性能はラプトルが有利です。【注:最近の反射鏡は10年以上大丈夫の意見が多くなってきました】
付属品の充実度とか見てもアウトドアやキャンプ、車中泊のチョイ見に最適と思うのですよ
割り切って使うべき望遠鏡です
どれもコンパクトで扱いやすく光学性能がしっかりした評判の良い望遠鏡です。月と惑星以外についてですがオリオン星雲とアンドロメダ銀河は見れます。
特にオリオン星雲は探しやすいうえに、かなりはっきりと姿を捉えることができる唯一の星雲です。アンドロメダ銀河になるとどこにあるのか探すのが大変です。へたをしたら一晩かかっても見つからないと思います。

見えないわけではありません。探し出すのが困難だということです。
見えたとしてもぼんやりした光芒が見えるだけですから、だいたいの方はガッカリします。それ以外の銀河や星雲を観測するのは相当の努力が必要です。
光学性能的には見えるものはたくさんありますが、すぐに見つけることのできる位置にある銀河、星雲、星団はごくわずかです。探しだすには相当の忍耐が必要になります。
スコープテック | 屈折式望遠鏡 | ラプトル50 | 13900円 |
スコープテック | 屈折式望遠鏡 | ラプトル60 | 23900円 |
ACUTER OPTICS | マクストフカセグレイン式望遠鏡 | VOYGER MAK70 FAST | 35640円 |
初心者がアウトドア、車中泊、キャンプの天体観測に使っても戸惑うことの少ない扱いやすい望遠鏡たちです。荷物にもならなくて調整も必要ありません。
Ⓑオリオン星雲、アンドロメダ銀河も見たい人
月のクレーターも土星の環も木星の縞模様も、小さな望遠鏡で見ているとすぐに飽きると思います。もっと高倍率で観察したいと考えるのは当然です。
100倍またはそれ以上で見ると迫力が違います。これくらいの倍率で使用するには微動装置が必須になります。とうぜん価格はあがります。さらに天体にはDSO(銀河、星雲、星団)と呼ばれるものがたくさんあります。

DSO(銀河、星雲、星団)を見るには自動導入が便利です!
これらの数は膨大で1000どころではありません。そして光学性能的には口径60ミリくらいあればかなりの天体が見えるはずなのですが、実際にはほとんど見ることができません。これらの問題を解決するのが自動導入や電子観望という方法になります。
アウトドアは自然の海、山、森や河原などの街灯が少ない夜空が暗くなるところで楽しみます。この条件は電子観望に最高の条件です。電子観望が狙うDSO(銀河、星雲、星団)は非常に光が弱く暗い天体です。天体観測に慣れたら電子観望にも挑戦してください。
大人の趣味には電子観望を検討してください!【体験すればわかります】
とくにアウトドアを体験している方に天体観測はおススメです。人工光がない自然の中で過ごすときに望遠鏡があれば楽しさが倍増します。

標高の高い山でみる星空は天の川がハッキリみえます!
アウトドア、車中泊、キャンプというと花火やバーベキューをつい連想しますが天体観測で少し知的な刺激を体験してみませんか?
天体観測は空が暗いほど良く見えます。ぜひ体験してください。
望遠鏡がなくても自然のなかで見る星は癒しをくれますが望遠鏡を使うと科学を感じたりします。知識としてはもっている月のクレーターや土星の環を自分で見る刺激はリアルに感性に響くものがあります。
アウトドア体験に電子観望を加えるとみんなで楽しめます!
アウトドアでする天体観測を電子観望にバージョンアップするとヤバいですよ。
PC画面で銀河や星雲をみんなで共有できます。
電子観望については、こちらの記事でくわしく解説してますから興味がおありでしたらご覧ください。
100倍以上の高倍率は日周運動を追いかける微動装置が必要です。自動導入経緯台を使いましょう。大きな望遠鏡でもDSO(銀河、星雲、星団)は眼視観測だとほとんど見えません。存在がわかる程度の見え方です。電子観望を体験してください。