この記事は、「【天体観測はエンタメだ!】双眼鏡で星見という推し活」から双眼鏡の詳しい使い方を知りたい方のための続編です。
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双眼鏡で天体を見る前に
双眼鏡は、特別な技術や設定なしで天体を観測できる初心者に最適なアイテムですが、よりよく見るためには使い方の基礎知識を押さえるのがポイントです。
太陽を絶対に見ないこと!!!
これは必ず守ってください! **太陽を双眼鏡で見ると目が潰れます**一瞬でつぶれます!日中に使うときは、絶対に太陽に向けないよう注意が必要です。
【星見】双眼鏡の選び方:明るく、軽く、使いやすい
星を見るためには、これらのポイントを満たす双眼鏡を選びましょう。
- 自分で持てる重さにする (重さは500g以下が理想、重いとすぐに疲れます)
- 自分で支えられるコンパクトな大きさ(両手持ちで数分は持っていられる大きさ)
- 手振れを抑えられる倍率→「8倍まで」が無難。最大10倍まで
- 焦点固定式やズーム式は使いずらいです
10倍以上の倍率は手振れが大きくなり、手持ちでは観測が難しくなるため注意が必要です。
双眼鏡では月や惑星の観測は力不足です。DSO(銀河、星雲、星団)と呼ばれる天体は暗くても見かけの大きさは満月以上のものがたくさんあります。高倍率はむしろ不要です。口径が30ミリ以上ダハプリズム式がおススメです。
高倍率の双眼鏡は三脚にセットして使います
高倍率になると見える範囲が狭くなり目標天体の導入が難しくなります。
導入しても手振れで落ち着いて観測できません。そのため高倍率の双眼鏡はカメラ三脚などにセットして観測します。
ビノホルダーと呼ばれるオプション品を使って三脚にセットします。
双眼鏡には色収差を抑えたEDレンズを使用したものもありますがDSO(銀河、星雲、星団)は非常に暗い天体なので色収差についてはほとんど気にする必要はありません。色収差は日中に白っぽいものを見ると気になる程度です。安価な双眼鏡でも十分に楽しめます。
双眼鏡の基本的な使い方
天体観測に限らず双眼鏡の一般的な使い方解説です。
1.目幅調整
両目の間の幅は人によって違います。先に双眼鏡を両目でのぞき、普通にピッタリと見れるように調整しましょう。これが「目幅調整」です。
丸い視野が重なるように調整してください。
2.ピント合わせ(フォーカス調整)
ピント合わせは、星をはっきり見えるようにするための最重要ステップです。ピントは視野の真ん中で合わせてください。
光学製品は周辺にいくと像のひずみが出ます。
ステップ①:まずは中央のピントリング(フォーカスリング)を使う
- **双眼鏡の中央にある大きなリング(中央ピントリング)**を使います。
- まず、右目を閉じて左目だけでのぞき、見たい対象(たとえば明るい星や遠くの街灯など)にピントを合わせます。
- 左目でその対象がくっきり見えるまで、中央のピントリングをゆっくり回します。
ステップ②:次に右目を調整(視度調整を兼ねる)
- 今度は左目を閉じて右目だけでのぞきます。
- このときは中央のリングではなく、右側の接眼レンズに付いている視度調整リングを回してピントを合わせます。
- 右目で同じ対象がはっきり見えたら完了です。
ステップ③:両目で確認
両目を開けてのぞき、両方ともハッキリ見えていればOK! 以後は、対象が変わるたびに中央のピントリングだけを回せば良いようになります。
※ピント合わせは特に「星がぼやける」「星がにじんで見える」という初心者のつまずきポイントなので、焦らずゆっくり微調整するのがコツです。
地上の景色を見るときはその都度焦点を合わせます。ピントが合うと像がクッキリとします。
3.視度(視力差)調整の補足
一方の目の視力がわずかに異なることはよくあります。その場合、双眼鏡の片目分についている「視度調整リング」を回して調整します。
天体観測【星見】のための構え方
ゆっくりと星空や星雲などの天体を観測するには負担の少ない態勢の確保が重要です。楽な姿勢で時間をかけて宇宙の不思議をさがしましょう。
天体を見る姿勢
星を見ようとすると目線は自然と上を向きますが、これが意外と首や肩、背中に負担をかけます。特に女性の場合は、双眼鏡の重さと合わせて筋肉の緊張が続くと疲れやすく、観測がつらくなってしまうことも。
そのため、快適で無理のない姿勢をとることが、星見を長く楽しむコツです。
1. 座って姿勢を安定させる
キャンプ用の背もたれ付きのローチェアや、安定したベンチや台を活用しましょう。ひじをひざに乗せることで腕を固定でき、手ブレが減って像が安定します。
- 座面が低めの椅子だと、見上げる角度が自然になり疲れにくい
- クッションやタオルを背中に当てると長時間の観測が快適に
2. 肘の固定とサポート
双眼鏡は両手で持ちますが、肘の支えがあるかないかで疲労感が激変します。
- 膝に肘を乗せる、テーブルやリュックの上に腕を置くなど工夫を
- 手首にサポーターを巻いたり、滑り止めつきの手袋を使うのもおすすめ
3. 天頂(真上)を観測するときの姿勢
真上を長時間見上げるのはかなりの負担です。そこで便利なのが「寝転ぶ」スタイル。
- レジャーシートや折りたたみマットの上に仰向けになって観測
- ネックピローや枕を使うとさらに楽に
- 明るい星が見える位置に合わせて、少し体を傾けると首が楽
4. 地面に座る場合の工夫
地べたに座って観測する場合は、
- 厚手の敷物を敷く(断熱性のあるシートがおすすめ)
- 背もたれになるものを用意する(リュックや木の幹など)
このように、体の一部でも支点があるとグッと楽になります。
体を固定してください。なにかに寄りかかるだけで視野の揺れがかなり解消します。
まとめ:観測姿勢は“疲れない工夫”がカギ
天体観測は「姿勢がすべて」と言っても過言ではありません。道具だけでなく、どう構えるかが観測体験の質を大きく左右します。
女性や初心者こそ、無理なく快適に楽しめるように、体をいたわりながら星を見ましょう。
人間の首は真正面から下側に向けるように作られているようです。少し上向きにするだけで、かなりの負担が首にかかります。じっくり星見を楽しむためには姿勢の確保が重要です。
双眼鏡で星見におススメの折りたたみイス

天頂の天体を見るにはこのくらい寝ころぶ必要あります。これでいちばん空が暗い天頂をゆっくりと観測できます。
空が暗いとコントラストがついて薄い光のDSO(銀河、星雲、星団)が見やすくなります。
双眼鏡では土星の環は見えません
倍率が10倍程度では土星の環を見ることはできません。それでも小さな楕円形に見えると思います。
月のクレーターは光と影の境界あたりがなんとなくデコボコしているように見えます。
口径50ミリ30倍以上であれば土星の環が見えますよ!
天体観測【星見】の注意
まず住宅やマンションに双眼鏡を向けるのは誤解のもとになります。注意してください。
観測するところは人通りが少なく暗いところになるので不審者対策のグッズも用意したほうが安心です。
夜の屋外は視界も、足元も注意
夜の屋外は足元が見えにくくなり、蹴られるものや滑りやすい場所が増えます。光をさえぎる素材を選びつつ、少しの休憩光やヘッドライトを用意しましょう。
日本の夜は世界有数の安心できる治安を誇ります。安全、安心に感謝の気持ちを持ちながら夜の星空を楽しみましょう。それでも最低限の用心をしながら自分の゛推し星゛を見つけてください。
双眼鏡を使いこなす「日中の練習」
初めての方は、夜の星を見る前に、明るい時間帯でしっかり使い方に慣れておくのがポイントです。
はじめは遠くの森や鉄塔などの建造物を見ながらピントを合わせる練習をしましょう。
おわりに
双眼鏡は、誰でも手にとって夜空とつながれる「星の入口」です。
高価な機材も特別な知識もいらない、けれど自分だけの感動が得られる不思議なアイテム。
晴れた夜に、そっと空を見上げるだけで、
そこにはいつもとは違う世界が広がっています。
あなたも今日から、“星見”という推し活をはじめてみませんか?
見上げた先に、きっとあなたの“推し星”が待っています。